学校法人修道学園 / 林 正夫 理事長
江戸時代中期の1725年に開かれた藩校「講学所」を源とする修道学園が、11月4日に300周年を迎える。中学校、高等学校、大学を持つ総合学園へと成長した歴史のほか、将来像、地元の経済界で活躍する卒業生へのメッセージ、周年事業などについて聞いた。
学園の歴史を教えてください。
広島藩5代目藩主の浅野吉長が藩校を開設したのが始まり。廃藩置県で藩校は廃止されたが、12代長勲が私財を投じ、1877年に私学を興した。87年に山田十竹校長が浅野家から経営を引き継いだ後、1905年に(財)私立修道中学校が発足。48年に修道高等学校を立ち上げた。52年には地元財界の要請に応え「修道短期大学商科」を設立している。
現在は修道中学校・修道高等学校、広島修道大学のほか、2015年に合併した鈴峯学園の流れをくむ男女共学の広島修道大学ひろしま協創中学校・広島修道大学ひろしま協創高等学校を含め、約9000人が通う西日本有数の学園となった。
周年への思いと学園の将来像は。
藩校の時代には、藩の財政ひっ迫により閉鎖を余儀なくされるなど数々の苦難を乗り越えてきた歴史がある。80年前の8月6日には原爆投下で修道中学校校舎の大半と生徒・教職員199人を失ったが、9月15日には授業を再開したと伝わる。先人たちの教育に対する情熱に改めて敬意を表したい。この周年を通過点と捉え、学園が発展し続けていくための使命を果たさなければならない。
昨今は国の想定を超えるスピードで出生数の減少が進んでおり、これからの5年間は私学の存亡を懸けた改革期間に突入すると考えている。10年前、少子化を見据えて実施した鈴峯学園との合併では、広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校の志願者数、定員充足率の両方を向上させることができた。その経験を生かすとともに「道を修める」の下、各設置学校の教育理念に基づき、地域社会の発展に貢献できる人材の育成に努めていく所存だ。
修道大学での取り組みについて。
27年春に、県内私学で初の農学部の開設を予定している。生活の根幹である「食」に関する分野の教育は意義深い。3学科を設けて入学定員を260人とし、持続可能な食農システムの構築、環境保全の推進といった現代の課題への解決策を提案できる人材の輩出に期待している。
現在7学部13学科4研究科を擁する大学は学生の約7割が県内出身で、卒業後も過半数が地元に残るのが特徴の一つ。地場企業や官公庁と連携したインターンシップ、共同プロジェクトなどを通じて地域との関係性を構築している成果だろう。若者の転出が県全体の課題とされる中、引き続きこうした取り組みで県内経済に貢献していく。
周年事業の一環である、新体育館の建設も大詰めを迎えている。スポーツに励む学生の声を反映した設計とし、9月に竣工式を予定している。
修道中高の工事も進んでいます。
30億円超を投じた大規模な改修で、うち約2億円は卒業生などからの寄付で賄う。築40年を超えて老朽化していた本館をはじめ、武道場などを備える敬道館、図書館といった建物を新築。またメイン校舎の北館・南館も大幅に改修する。既に大半の工事は終わっており、こちらは10月に竣工式を開く予定だ。
他にも多くの行事がありますね。
まず修道学園(中・高)同窓大会が9月6日に開催される。今年は周年記念で例年から場所と時間を変え、午前中は新校舎を見学。午後には広島県民文化センターでスクールバンド班によるコンサートと、著名なOBを招いたトークセッションを催し、最後にリーガロイヤルホテル広島で恒例の同窓大会を開く。
11月1日には同じくリーガロイヤルホテル広島で学園創始300周年記念第61回広島修道大学同窓大会を開催する。このように卒業後も同級生や先輩・後輩が絆とつながりを持ち、自主的かつ多様に活動しているのが学園の強みだと感じる。14万8000人超の卒業生が幅広い業界で活躍していることは大変に誇らしい。
そして11月には学園創始300周年記念式典を盛大に執り行う。いずれの行事にも大いに期待を寄せているし、各設置学校の同窓会には多くの卒業生に参加してもらい、母校の歴史と現在、そして未来への思いを感じてほしい。
PROFILE
はやし まさお 1941年1月22日生まれ。修道中学校・修道高等学校では水泳に打ち込み、卒業後に立教大学へ進む。83年に広島県議会議員選挙で初当選。2007年に広島県議会議長、14年には全国都道府県議会議長会会長に就いた。学校法人修道学園理事長には00年に就任。