蒸留酒、RTDへの挑戦が奏功
千福醸造元の三宅本店(呉市本通、三宅清嗣社長)は2025年3月期の売上高が10億1000万円となり、5期ぶりに10億円台に回復した。コロナ禍の21年に製造販売を始めたジン、ウイスキーなどスピリッツの売り上げが伸長。増加する観光客の需要を取り込んだほか、開けてすぐ飲める缶飲料(RTD)も一般消費を伸ばした。27年までにスピリッツの売上構成比を現在の1割から3割に引き上げたいとする。
22年に自社蒸留所「セトウチディスティラリー」を立ち上げ、総合酒類メーカーとしての機能を拡大。瀬戸内産レモンや甘夏を使う「クラフトジン瀬戸内」といった地域性の高い商品が、広島駅などで土産需要を取り込んだ。加えて、低アルコールで手に取りやすい価格の「瀬戸内蔵元ゆずれもんSOUR」などRTDはフレッシュな飲みやすさが人気で、主に県内のスーパーや酒屋などで販売を増やした。三宅清史統括本部長は「ECサイトの動向を見ると、蒸留酒のリピーターが一緒に日本酒も買ってくれている。同様のセット買いが土産でも起こり、日本酒の売り上げを維持できたと見ている」と話す。今秋には、3年以上貯蔵などが条件のジャパニーズウイスキーを同社として初めて発売する計画。
また日本酒は採算性を高めるためにラインアップを見直すほか、看板商品「千福 Vパック」のパッケージを7月にリニューアルするなど、消費者が手に取りたくなるようデザイン性を高めていくという。
1856年創業。三宅社長は日本酒造組合中央会の副会長を務める。今期も売上高10億円以上を見込む。
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