地域経済 2025.07.10

チチヤス 3期連続増収で128億円 付加価値販売に注力し営業利益最高

伊藤園グループでヨーグルト製造販売などのチチヤス(廿日市市、久保貴義社長)の2025年4月期売上高は128億8500万円で3期連続増収とし、営業利益は12億3000万円で過去最高だった。近年、牛乳事業からヨーグルト事業へ軸足を移し、ニーズを捉えた付加価値販売に力を注いだ成果が出てきた。今期は、OEMを終了するため売上高124億2000万円、営業利益10億3000万円を予想する。

十数年前からヨーグルトと牛乳の構成比を大きく変え、併せてキャラクター〝チー坊〟を活用したブランド強化も進めてきた。売上構成比はヨーグルトが77%に伸長したほか、牛乳14%、飲料・その他9%。特に健康を切り口に新製品を投入した個食タイプのスイーツヨーグルト「こくRich」シリーズが関東市場をはじめ支持された。原価高で昨春に値上げに踏み切った一方、異なる部署から製造の応援に当たるなど一人二役体制で繁忙期を乗り切っている。
11年に伊藤園グループ傘下に入り、財務体質を改善。現在、グループのDXにも取り組み、順次、工場の機械化・省力化を図り、安定した量産体制を整える。

ブランドを育てる

チチヤスのヨーグルト市場シェアは現在1・9%、国内8位だが、久保社長は拡大路線よりも「定着したお客さまを大事にする」考えを重視。ヨーグルト市場も量販店を中心に価格訴求力が求められる。しかし、行き過ぎた安売りは生産現場の意欲とプライドを削ぎかねないと付加価値販売へかじを切り、個食タイプを昨秋から相次ぎ市場に投入した。
単身世帯の増加など需要の変化をにらみ、4個セットが定番の「チチヤスヨーグルト」の個食タイプを開発。生乳を70%以上使い、従来よりも食べ応えがあり、カルシウムの吸収を促し骨の形成を助けるビタミンD配合の栄養機能食品として売り出した。一方で、〝ご褒美〟デザートのスイーツヨーグルト「こくRich」にも栄養機能食品をうたった「こくRichプラス」を発売。ビタミンEとポリフェノールを配合した〝ざくろ〟や、スーパーフルーツとしてSNSを中心に話題の〝サジー〟も採用し、健康や美容をプラスしてデザート需要を掘り起こす。前下期以降、個食タイプは前年同月比二桁台増で好調に推移している。
こうした商品戦略と販売戦略が実り、需要の拡大と収益性の向上につながっている。一方で、チチヤスのブランドを広め浸透させるキャラクター「チー坊」グッズが一定のファン層を生み出した。Tシャツや尾道帆布を使ったバック、けん玉や化粧筆などを扱ってきたが、〝食〟関連のグッズに再編していく。
久保社長新体制が始まって7月で1年になる。社内の空気を変え、ものが言い合える職場になり、一人一人が自らやりたいことを実行、失敗を経験し、成長するという当初の目論見が徐々に成果を出し始めた。挑戦する企業風土が芽生えている。
「スキルアップや実績が報奨される給与もさることながら、チチヤスで働きたいという会社にしたい。誇りと自信はブランドなしでは生まれない。働く意義を感じる職場を目指す」
と久保社長。1917年発売の「チチヤスヨーグルト」を原点にどこか懐かしい、素朴な味わいづくりは変わらない。おいしくなければ長続きしない。ヨーグルトの製造開発一筋から初の生え抜き社長として、ものづくりの魂をブランドに込める。

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