利益の大半を次の投資に回す
ダムの埋設型枠やトンネル用ロックボルトなど土木金物資材製造の藤崎商会(中区江波南、藤崎和彦社長)は、工場自動化で生んだ利益の大部分を設備投資に充て、生産性と利益率を一層高める好循環を生んでいる。
自動化に本格着手した2012年当初は年間4000万円前後を投じ、3年前から1億円以上に増やした。作業効率の改善や不良品ロスの低減が奏功し、25年2月期決算の経常利益は前年比2・3%増で過去最高の1億7392万円を計上。これを原資に、今期の設備投資額は1億5000万円を計画する。総資産経常利益率は6・8%で自己資本比率29・2%。
安芸高田市に3工場を構え、前期は鉄筋用台座の金網を自動溶接するレーンを二つ導入したほか、ネジ自動切削ラインに材料を自動供給する装置を1台追加した。今期はそれぞれ2台目のNC(数値制御)旋盤とNC丸のこ盤のほか、レーザー加工後の棒状金属を自動でピックアップするロボットを入れる。現場で目地材を自動で注入する装置の2台目も導入する。藤崎社長は「体力に不安のある女性や高年齢層も作業でき、人材を採用しやすくなった。数年前は現場に女性社員がいなかったが、現在2人が活躍。全社員とのワンオンワン面談で吸い上げた改善案が品質に表れ、成果が見えることで次の提案がどんどん出てくる。コスト削減分を投資に回す前に賞与で還元し、意欲喚起を心掛けている」と語る。環境負荷の低減にも取り組み、油の付着した金属を洗浄するための強アルカリ水精製装置を採用。油分を水と固形物に分離し、産業廃棄物の体積は従来の50分の1程度に減らせる。
前期の売上高は前年比2・4%減の28億3091万円と減収だったが、過去2番目の高水準となった。原子力発電所の安全対策に必要な通路補強資材をはじめ、クレアライン(広島呉道路)四車線化工事、30年度以降に完成が予定される北海道新幹線延伸(新函館北斗・札幌間212㌔㍍)のトンネル工事向け資材の受注などが堅調だった。今期もこれらの案件が継続するほか、鹿児島県馬毛島で30年の完成が予定される自衛隊基地の舗装資材で大型受注を見込む。売上高は25億円以上、経常利益1億5000万円を予想する。