先端レーザー計測など森林情報デジタル化
国内製材最大手の中国木材(呉市、堀川保彦社長)は保有する自社山林約1万1000㌶を、今後5年で倍近い2万㌶まで拡大する計画だ。購入の効率化へ、ドローンレーザー計測機などの検証を進め、森林情報のデジタル化を加速させる。
山林価格は立木の樹種や樹齢、手入れ状況などを考慮して算出。現在は森林内に一定面積の調査地を設定し、調べた立木数、胸高直径、樹高などから森林全体の傾向を推測するプロット調査が主流だが、時間がかかる上に人為的誤差も出やすいという。そのため、購入是非の判断に時間を要していた。
こうした問題の解消へ、ドローンレーザー計測機の活用を自社所有林の槻木山(熊本)で実証実験。立木の頂点から地表面までの位置情報を把握できるため、従来の測量手法では難しかった「森林の3次元構造」を詳細に把握できる。実際に空撮で土地の高低差や立木の本数、樹高などが正確に測れた。一方、課題として現時点で胸高直径は空中からは把握できず、人がレーザーを背負って入山し練り歩く必要があるという。将来は山林の査定に加え、森林J―クレジット創出のためのモニタリング調査での活用も見込む。
国内民間企業で最大級の森林(約18・8万㌶)を有する王子ホールディングスは、土砂流出や崩壊防止に加え、大気と生物多様性の保全、水源涵養などを含めた自社山林の経済価値算出結果を年間約5500億円に相当するとした。山林経営には長期視点での持続的な計画が欠かせない。中国木材は取得した山林の適切な管理経営で、森林の持つ公益的機能の向上に努め、資源の循環利用や林業の活性化につなげたいとする。
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