カープの独り言 2025.05.15

「ヤノ・ゾノ」

迫 勝則のカープの独り言 / No.913

グラウンドを俯瞰(ふかん)していると分かることがある。どの球団も自分のことで精いっぱいの選手がいる一方で、必死になって相手と戦っている選手がいる。それが微妙な動きから伝わってくる。
古い話になるが、野村謙二郎が監督を退いた2014年。インタビューに答えた彼の意外な言葉が印象に残っている。在任中に一番うれしかったことは何かと聞かれ、こう答えた。「キク(菊池涼介)とマル(丸佳浩)が、本気で〝優勝する〟と言い始めたことでした」。
野村は2人の言葉を耳にし、監督の大切な仕事ができたと思ったという。グラウンド上でその菊池と丸の戦う姿勢がよく見て取れた。その2年後(16年)。カープは田中広輔(タナ)を加えた「タナ・キク・マル」の活躍によって、本当に25年ぶりのリーグ優勝を果たした。そしてその後、彼らを中心にして球団史上初のリーグ3連覇へと道を開いた。
私はいま新井カープの若い選手の中に別の「タナ・キク・マル」が出てきたような気がしている。それは「ヤノ・ゾノ」(矢野雅哉と小園海斗)である。
2人はファンが想像しているよりもずっと仲良しで、チームのことを最優先に考えている。2歳年上の矢野は「左投手への対応は小園から教わった」と語るし、年下の小園は「矢野さんの守備はレベルが違う。ライバルではない」と語る。ベンチでも2人がコミュニケーションする姿がよく目立つ。今季から共に背番号を1ケタに変えた「4」(矢野)と「5」(小園)のグラウンド上の動きに注目したい。

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PROFILE
迫 勝則(さこ かつのり)

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」

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