データホライゾン / 瀬川 翔 社長
2022年8月にDeNAの連結子会社に、同年3月にDeNAからグループのDeSCヘルスケアの株式を取得し連結子会社化。健康づくり事業のシナジーが期待されます。
当社は自治体が主力の保険者を対象としているが、ゲームなどエンターテインメント領域を得意とするDeNAは生活者に向けて一人一人の被保険者に直接、関わっていけるのが強み。自治体のデータヘルス導入が進んでも最終的に生活者(被保険者)が行動変容しなければ、保健事業の効果はなかなか現れてこない。
DeSCが展開するアプリ「kencom」は、スマホで健診結果を分かりやすく手軽に確認、将来の生活習慣病の発症リスクもチェックでき、楽しみながら日々の健康づくりが進められる。例えば、日々2000歩の人がいきなり8000歩目指すのは難しい。もう少し少ない歩数でも予防に効果があるかなどをデータ分析した上で、一人一人に無理のない目標設定やインセンティブ(ポイント加算など)も用意し、習慣化した行動を変えてもらう。冒頭の、歩数を雪かきに代えてポイント加算するなど、切り口を変える工夫ができる。無理と諦めないで、行動変容を促せるのがDeNAの得意な領域といえる。営業機能も融合しながらデータヘルスとの両輪で健康づくりを後押しする。
DeSCグループ化を機に20年以上蓄積する医療関連情報のビッグデータの利活用が進んでいます。
健康寿命の延伸、医療費適正化という国の課題解決を事業の目的と定め取り組んでいく中、保険者だけでなく製薬、保険、ヘルスケア事業会社などステークホルダーを広く巻き込んでいけば課題解決も加速する。
データヘルス関連は市町村国保向けを主力に累計500超の保険者に導入が進む。一方、データ利活用はグループ全体の売り上げ50億円超の20%強だが伸長傾向にある。DeSCは健康保険組合や国保、後期高齢者医療制度のデータを多数保有しており、高齢化でポリファーマシー(多剤服用)対策が急がれる中、大学の学術論文などでエビデンス創出に役立ててもらっている。共通言語である〝データ〟を公益活用して、ステークホルダーとともに進化していきたい。
発展的な事業にワクワクします。
保健事業の支援をより拡大させる位置付けで、住民全体のウェルビーイング向上を目指すスマートシティ構想への展開もできれば。例えば自動運転などの実証実験が待たれるトヨタのウーブン・シティなど従来にない発想で、健康づくりでも自治体ごとの課題に照準したまちづくりが推進できる。
スポーツ事業も展開するDeNAグループは、ボールパーク横浜スタジアムやスポーツ公園などまちづくりの一翼を担い、ノウハウを蓄積している。スポーツとヘルスケアはシナジーもある。都市全体を健康づくりの切り口を起点に盛り上げていくような発想も具体化していきたい。
AIの活用について
既にいくつかのプロジェクトで活用や技術検証をしている。AIというとその技術自体やデータが注目されがちだが、「顧客視点」でどう役に立てるのかが大切だと思っている。積極的に最新技術の動向は研究しながら、お客さまが困っていることは何か、それにAIがどう活用できるのかを社内でも議論して製品化の意思決定を行うよう心掛けている。
PROFILE
せがわ しょう 1984年7月22日生まれ、松山市出身。大阪大大学院工学研究科修了。2010年DeNA入社。21年データホライゾン取締役。日本テクトシステムズ経営戦略室長、データホライゾン代表取締役兼副社長執行役員などを経て、24年7月から現職。DeSCヘルスケア社長、DeNAグループエグゼクティブ兼ヘルスケア事業本部本部長などを兼務。