その他 2022.02.17

小林カズヒコの経営者のための実践マーケティング講座 第35回

間違いだらけのDX

 県内でもDX化ブームが沸き起こっています。旧態以前のやり方を見直し、時流に沿ったシステムを取り入れようとするのは良いことではありますが、ほとんどの経営者は社内にDX推進部をつくり「あとはよろしく」と担当者に任せっぱなしにする、もしくは専門業者に丸投げしているのが現状です。
 これはDXの主たる目的を理解していないのが原因でしょう。日本では「デジタルテクノロジーを駆使して事業の効率化を図る」程度の説明しかしない専門家もおり、「脱ハンコやペーパーレスのため」と思っている経営者も。では、DXの果たす真の狙いや役割とは何か。海外のトップマーケターたちはこう述べています。
「デジタルテクノロジーを多チャンネルで展開し、顧客と価値ある関係をシームレスかつ持続的に構築すること」
 違いがお分かりでしょうか。

客の頭の中をのぞき込む

 これまでの直線的かつ一方的な取引から、誰にいつ何をどのように売っているのか、そして今後、それを持続させるにはどうコントロールしていけばいいか、「お客さまの頭の中をのぞき込む」ためのシステム。これこそがDXなのです。
 私はクライアントにまず「こうありたい」と願うゴールを設定してもらいます。すると、そこへ至るための手法が徐々に見えてくる。DX化が必要だと思える部分が確認できたら、いきなり導入せずに小さくテストする。業者のお試しサービスを利用するのもいい。これで失敗が減らせます。ポイントは、現在ではなく未来から逆算して考える。そうすることなく、現状に見合ったもので思慮なく構築すると、賞味期限は短くなります。
 DXはビジネス大変革の序章に過ぎません。すでにネット上の巨大仮想空間「メタバース」を商用展開する企業も出始めるなど、今後はSF映画のようなテクノロジーが急速に普及していくことになるでしょう。ですが、どんな時代になろうともビジネスの幹はマーケティング。最先端技術は手段の一つに過ぎないことをお忘れなく。

読者からの相談

Q:マーケティングを導入したいが、独学とコンサルを雇う場合のメリット・デメリットを知りたい。

A:マーケティング関連の書籍やウェブセミナーが増え、以前よりは独学でも格段に習得しやすくなっています。しかし、人気のアメリカ式マーケティングは商品価値の低いものでも心理技術を応用したり、言葉巧みに売りつけることを推奨しているものも少なくない。これでは顧客との信頼関係を持続できないので取り扱い注意です。また、独学は時間がかかり、実装までに最低でも3〜4年は覚悟してください。コンサルを雇う利点は効果が比較的早く出るほか、客観的立場から事業を検証してもらえることにある。日本でも税理士を雇うようにコンサルをつけるのが当たり前になるべきですね。ただし雇う際は必ずコンサルのコピーライティング技術のレベルチェックを。マーケティングは「言語化(キラーオファー化など)」することがキモであり、欧米でライティング技術のない者はマーケティングコンサルと見なされません。また、いきなり雇わず、事前に1カ月くらいかけ、ご自身の事業のマーケティング診断を頼むのもお勧めです。自分たちでは気付かなかった意外な弱点が見えて驚くことでしょう。私も無料でお受けしています。

県内約2,500社の企業・決算・役員情報などを検索!
PROFILE
プロフィール画像

小林 カズヒコ 
コピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。診断や相談先メール(匿名不可)marketingdefense@harukomania.com

関連記事

料金プランへの誘導バナー・デザイン差し替え

おすすめ記事

広告
広告

人気記事