こぼれ話 2026.04.15

ステイ広島

 激動する世界経済。広島の企業活動にも影を落とす。人手不足やコストアップをどう乗り切るのか。昨年11月に就任以来、半年が経過。広島商工会議所の松藤研介会頭(広島ガス会長)は、

「中東情勢は急速に緊張が高まり、ロシアによるウクライナ侵攻も収束の見通しが立たない。エネルギー供給の不安定化は避けられず、価格上昇を通じて企業経営への影響は今後さらに広がるだろう。米国の保護主義的な政策動向も製造業の輸出環境に大きな影響を及ぼしかねない。地元経済は設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるとはいえ、こうした下振れ要因を抱える中で予断を許さない状況が続いている」

 成長型経済を目指す高市政権にとって正念場。地方経済も試練のときを迎える。

 伴走型支援に力を入れる広島商議所は2025~27年度の中期行動計画に沿って、広島経済の好循環を創り出す作戦だ。さらに中小企業・小規模事業者の自己変革への挑戦を促す。特に価格転嫁と賃上げの定着が景況を左右する岐路になるという。

「企業が懸命に努力しても、コスト上昇分を価格転嫁できなければ賃上げ、投資の原資は生まれない。転嫁率は改善しているとはいえ、まだ十分とは言えない水準だ。春闘では大企業を中心に高い賃上げが続いているが、この流れを中小・小規模事業者にまで波及させていくことが重要。働いた成果がしっかりと賃金として返ってくる、その当たり前の循環をつくるためにも、パートナーシップ構築宣言の普及と実効性の確保に引き続き力を入れていきたい」

 大企業と中小企業の共存共栄を目指すパートナーシップ構築宣言は、発注者の立場から取引の適正化やサプライチェーン全体の付加価値向上を狙う。4月10日現在で県内2071社までに広がってきた。原材料費やエネルギーコスト上昇分の全額転嫁を目指す企業もあり、その波及効果が期待される。

 「このまま若年層を中心にした広島県の転出超過に歯止めがかからないと地域の活力は確実に弱まっていく。広島に住む人がこの街が好きだと思えること、そして、外から訪れた人が広島で過ごしたいと感じることが何より重要になる。観光だけでなく、日々の暮らしそのものが魅力となる街づくりを進めていかなければならない。歴史や文化、自然の豊かさを改めて見つめ直し、訪れる人が滞在したくなる温かさと住む人が誇りを持てる心地よさを育てたい。ステイ広島。そうした思いをスローガンに込めた」

 がんばれ広島!

 暮らしに魅力を感じてもらう視点は、産業支援とも地続きの戦略が必要だ。2027年度に完成予定の基町相生通地区再開発ビル「カミハチクロス」へ商議所事務局の移転を計画している。同ビルは、ハイアットのホテル「アンダーズ」やオフィス、商業店舗が入り、ヒト・モノ・コトが交わる場をコンセプトに交流広場や公園も設けられる。好立地を生かし、地域にいっそう開かれた経営支援・地域振興拠点の構想を描く。

 移転を見据え、業務効率化と多能工化を進めるため、4月1日付で従来の4部署を総務管理部、業務推進部、中小企業振興部の3部署に再編。民泊を中心にした体験型修学旅行誘致推進室を設置し、共同受け入れ態勢を整備していく。がんばれ広島!

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