ビーアールホールディングス / 山根 隆志 社長
ゼネコンとの競争が激しくなっています。
高速道路の床版取り替え工事などの大規模更新事業で、大手ゼネコンなどと競合することがある。これまではわれわれのような橋梁の専門業者が中心だったが、1件当たりの発注額が50億~100億円規模と大きいためゼネコン参入が増えている。一方で、金額的にはこれまでのゼネコンの主領域にわれわれが入り込んでいっているという面もある。
補修分野の動向は。
日本では高度経済成長期に建設された橋梁が更新期を迎えており、更新・補修需要は今後も全国で続くと見込む。これまで主力だった床版取り替え工事は、当初は一定期間で集中的に進める全国規模のプロジェクトだった。しかし交通規制による影響や費用の問題もあり、現在は発注ペースを落として長期的に進める方向になっている。短期的な案件は減るが、長く安定して続く事業になると見ている。ただ、それだけでは会社の成長には限界がある。
建築分野に力を入れる方針です。
建築市場は橋梁市場よりはるかに大きい。われわれが手掛けるプレキャストコンクリートは建築分野でも大きな可能性がある。従来のように現場で一から施工するのではなく、工場で部材を製作して現場で組み立てる方式は、建設業の担い手不足や生産性向上の観点から、需要が広がると見ている。
プレキャスト製品の製造・販売には既に参入しているが、われわれが主力としてきた土木分野とは営業や技術面で違いがあり、社内の心理的なハードルもあった。しかし横河ブリッジは建築分野で既に実績があり、これから人材やノウハウの面で力を借りたいと考えている。
グループイン後の展望は。
横河ブリッジHDは売上規模で当社の約4倍ある。技術や人材の面でも学ぶことは多い。営業・技術の両面でシナジーを発揮しながら、新しい分野にも挑戦していきたい。技術会社としての強みを生かしながら成長していく。
社員の反応はどうでしたか。
最初は驚きもあったと思う。買収という言葉が報道に出ると不安を感じる人もいる。ただ、すぐに全社員向けの説明会を開き、今回のTOBが友好的なものであることや、横河ブリッジとこれまで協業してきた経緯を説明した。
若い社員ほど前向きに受け止めている印象がある。JVで一緒に仕事をしているメンバーも多く、相手の技術力や企業文化を理解しているからだろう。グループインによって新しい分野に挑戦できる可能性が広がるという期待感もある。
本社ビルの売却も発表しました。
本社とグループ会社などが入る東区光町のビル(鉄骨10階建て)と土地を、3月末で不動産系の会社に売却する。老朽化が進んでおり、横河ブリッジとのTOBとは全く別軸で進めていた。近くの二葉の里のオフィスに移転する。

PROFILE
やまね たかし 1959年12月15日生まれ、呉市出身。呉高専を卒業し、1980年に前身の極東工業に入社。92年から3年間、会社の留学制度で米国の大学・大学院に在籍。主に設計や技術畑を歩んだ。土木学会などの活動にも携わり、杭工事の独自技術「マイクロパイル工法」を米国から持ち込んだ。2022年から中核子会社の極東興和の社長も務める。