インタビュー 2026.03.18

品質管理AIで東証グロース上場

フツパー / 大西 洋 代表取締役CEO

食品業界に強い理由は。

 AIとの相性が偶然良かった結果だ。ネジの長さなど定量的な検査は従来の画像処理で十分だが、食品の形の崩れや傷のように許容基準が曖昧なものは線引きが難しかった。手作業が残っていた領域に、大量のデータから規則性などをAIが自動で学ぶディープラーニングがはまった。

SaaSの死と言われるほど生成AIが普及する中、何を強みに顧客を獲得していきますか。

 生成AIでSaaSを模したそれっぽい画面を表面的に作れても、信頼性が必要な基幹システムや法令対応が必要な領域は置き換えられない。当社の強みは単なるAIソフトウエアだけでなく、高品質なハードウエアも提供できる点。24時間365日絶対に止められない工場にカメラをつなぎ、稼働させ続けられる。AIの進化はむしろ品質向上へ追い風だ。

海外展開の戦略は。

 売上高の99%以上が国内で、国内の目標達成が大前提だ。ハードウエアを伴う海外展開はハードルが高い。例えばベトナムでは認定取得に1年かかる場合もある。まずはソフトウエアを中心に、日系企業の工場が多いタイから着手し、周辺国へ広げる戦略だ。東京都が持続可能な都市づくりを担うスタートアップを世界へ展開する取り組み「SusHi Tech Global」にも採択され、既に複数回渡航している。

 最も印象的な仕事は。

 創業1年目に大手商社系金属加工メーカーの検査を受注したことだ。5社コンペに最後に参加し、選ばれた。それまでは5~10万円の案件が多かった中、2000万円のプロジェクトは当時の年間売上目標に相当した。社員3人に加え、広島大学からもメンバーを集めて体制を整えた。

成長へ重視する指標は。

 時価総額を重視。売り上げや利益が単独で伸びても、将来性がないと判断されれば評価はされない。社会性も含めた企業成長の指標として、時価総額が最も正直な目標値だ。

新規事業の方針は。  

 毎年1件ずつ新製品を開発。今年も速度を上げたい。検査は製造の下流工程だが、加工や在庫管理、生産計画など上流にも商機が多い。24年にデジタル庁の船舶安全点検の事業を受託。造船、物流領域に加え、医薬、半導体といった信頼性の高い分野も狙う。

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