大創産業 / 平本 良弘 Daiso India 代表

100円ショップ「ダイソー」の出店と、製造の両面でインド事業を進めている。検討を始めたのは4年ほど前。当社製品の一定量が中国製で、さらなる安定供給体制の構築に向け、生産拠点の多角化とグローバルな供給網の拡充が必要だった。2024年に現地法人「Daiso India」を立ち上げ、展開を本格化させた。カンボジアやベトナムも候補に挙がったが、現地は縫製工場が中心だ。その点、インドは多くの品目を国内生産しており、多様な雑貨を扱う当社の製品構成に対応できると考えた。委託先の工場探しでは、政府系機関主催の商談会などの支援が後押しに。インドで生産し、世界に輸出する当社のビジネスモデルは、貿易赤字の改善を目指す同国の思惑とも合致する。一方、中国などと比べると当社の知名度は低く、契約締結までには一定の時間を要した。
インド綿のカバンやインナーウエアに加えて、今年から玩具、コスメなど生産ジャンルを拡大。他の各国で必要な認可を取得し扱っていく。インドからの輸送は時間がかかるが、海上運賃は安い。これを品質向上につなげ、顧客満足度を高める。ゆくゆくはインド以外の生産地も模索していく。
刻々と変わる各国の規制や消費トレンドに対応するには、海外の生産拠点と国内の商品部との密な連携が欠かせない。今後は他エリアと同様に現地人スタッフを商品部に受け入れ、現地との調整役を担ってもらう。
200店見据え出店強化
日本市場は円安に加えて出店用地の不足から大幅な成長は見通せない。そこで、売上高の海外比率を現在の1割から3割に引き上げる計画だ。インドでは事業パートナーを通じて22年に1号店を開き、現在8店体制。27年に50店、将来200店と、米国に次ぐ規模を掲げている。
中間層がメインターゲットで、大都市のショッピングモール内を中心に店舗展開。商品仕様は日本と同じで、100円商品を199ルピー(200~300円)で販売する。日本製品の信頼は厚く、特にキャラクター付きやかわいらしいデザインが人気だ。一方、日本で主力のウエットティッシュなどの日用品やシンプルなデザインはあまり好まれない。
外資系の小売企業に3割の現地調達を課す「単一ブランド小売規制」などを背景に、品ぞろえには苦労している。全商品3万点のうち、現在インドで扱えるのは8000点程度。現地生産品を増やし、拡充を図る。