スポット 2026.03.16

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期待高まる

 楕円形の都心づくりを促す大きな布石となりそうだ。ミナモア開業でにぎわう広島駅地区と紙屋町・八丁堀地区を結ぶ相生通り沿いに位置する旧市営基町駐車場一帯で建設工事が進む31階建て高層棟「カミハチクロス」の上棟式が3月11日にあった。

 関係者約150人が見守る中、長さ6㍍で1・2㌧の鉄骨をクレーンでつり上げ、2027年4月竣工に向け安全を祈った。1、2階に店舗、3~6階に広島商議所や県と市の産業支援機関、7~19階がオフィスフロア、20~31階に東京に次ぐ米ハイアット系高級ホテルの「アンダーズ広島」が入る。

 高層階からは瀬戸内海まで見渡せ、市街地の全貌を一望できるランドタワーとして人気を呼びそうだ。国内外からビジネスや観光で訪れた人、県民、市民の新たな出会いと交流を生み出す「ヒト・モノ・コト」がクロスする再開発事業の構想を描く。人や情報が集まる拠点から広島がどう変貌するだろうか。

 UR都市機構を代表に朝日新聞社・朝日ビルディングなどが施行。竹中工務店が設計・施工。オープンスペースは官民連携のエリアマネジメント組織カミハチキテルが運営に当たる。

 

カキ養殖を将来へ

 県は瀬戸内の環境保全活動を推し進め、2024年の海洋ゴミ量を6年前に比べて8割減らした。しかし漁業用発泡スチロールやカキいかだパイプが全体の6割(11㌧)を占め、事業者の営みとの両立が課題という。

 (社)瀬戸内プロジェクトin広島(事務局・中国放送)はNPO法人木野環境と連携し、25年度事業で海洋ゴミの回収と再資源化に取り組んだ。昨年の調査では養殖パイプの存在を知らない人が7割に上り、知っている人でも、海への流出を認識する割合は半数にとどまった。

 5月に宮島の海岸を清掃し、一般の参加者45人が19㌔を回収。9月の江田島でも40人が汗を流した。さまざまな施設に回収箱を設け、265日間で集まった量は378㌔に上る。木野環境がベンチにアップサイクルし今年2月20日に廿日市、江田島、呉市の海岸や宿泊施設などに計4脚を置いた。徳永英生理事長は、

「全国一のカキ養殖業が将来にわたり続くためには、環境を守る視点が欠かせない。海で何が起きているのか体験してもらい、自分事として捉えられるきっかけを狙った。自分たちで拾ったごみがベンチに生まれ変わり、誰かを一息付かせる。そんな光景を目にして、循環型社会の意識も育んでもらいたい」

 日本財団の海洋ごみ対策事業「チェンジフォーザブルー」の一環として実施。協力先の施設は回収箱の継続設置を快諾。確かな手応えが残った。

 

4青年部が連携

 若い力を集め、町を動かす。3月10日に「はつかいち青年部連合会」が発足した。廿日市市域の商議所と大野町、佐伯、宮島町商工会の各青年部が連携し、地域課題と向き合う取り組みは全国でも珍しいという。

 近年、子育て支援充実などで若年層の転入が増え、上平良の大規模造成や二重原の産業団地開発といった市街地のまちづくり計画も進む。一方、少子高齢化が深刻な山間部など郊外は働き手や後継者不足、商工会員の減少など課題が複層化。点の活動から脱し「面的な取り組み」への深化が求められていた。行政や経済団体とも連携し、若手経営者と後継者の交流機会創出や合同研修、防災などの政策提言を計画。初代の古谷正樹会長(商議所青年部会長)は、

「地域おこしに関わりたいという志はみな同じ。1次産業や観光などエリアごとの知見や資源を持ち寄り、地域の誇りと稼ぐ力が循環する街へと成長させていく」  

 高々と志を掲げる。

シャリのちなめらか

 チチヤス(廿日市市)は3月30 日、「凍らせて食べるチチヤスヨーグルト」を北海道~東海の東日本で先行発売する。

冷凍で食べることを前提とした、ヨーグルトの冷蔵販売は業界初という。顧客の声を受け商品化した。久保貴義社長は、

「日本ではフローズンヨーグルトはあまり普及していないが、夏の酷暑で飲料などを冷凍するアイススラリーのように、ジャンルを問わず冷凍して楽しむ食品がトレンド。ヨーグルトを凍らせて食べることに着目した」  

 凍らせると一番おいしくなるよう改良を重ね〝シャリのちなめらか〟という新食感と、瀬戸内の塩を加えたラムネ味に仕上げた。ヨーグルトを冷凍すると硬くてスプーンが入りにくいが、これも解消。おいしく健康に暑さを乗り切れそう。食品卸の日本アクセスの「新商品グランプリ2026春夏」でトレンド賞と洋日配部門3位を獲得。初年度販売目標は500万個。5月25 日に全国発売する。

街歩き促す

 「通過型」観光に一石を投じようと、NTTアーバンソリューションズ(東京)などは3月2日、名所やイベント、交通などをまとめた「ひろしま観光デジタルマップ」を公開した。

 地図サービスのストローリーと連携。絵地図形式で、スマホのGPSと連動して近くの施設や店を探せる。おすすめの散策コースも載せる。グループ会社でパセーラやゲートパークの開発・運営を手掛け、都心エリアの魅力発信と周遊促進を狙う。移動データを集積し、今後の施策にも生かす。

「目的地に向かうだけでなく、新たな発見を楽しんでほしい。関係者との協業を深めながら、ガイドブックにはない地元ならではの情報を拡充していく」

メンタルと財務

 やっと採用できた新人をどう育成していくのか。あっという間に転職されると、痛手は大きい。たとえ、知られたくないような財務状況であっても正直に新人に伝えることが信頼につながり、やる気を生むという。

 1月に法人化したメンタルザイム(中区本川町)の柴田みつ恵社長は社名の通り、心とお金に焦点を当てた企業支援を手掛ける。社員の意識を高めて活躍につなげるため、経営層以外にも会社の財務を理解してもらうプログラムを提供する。

「新人研修ではまず、目指すべき姿として理念を教えるという会社は多い。しかし多くは抽象的な言葉であり、実務経験のない人には伝わりづらい場合がある。一方、売り上げや利益といった具体的な数字であれば、達成に向け自分は何をしたら良いか、イメージしやすくなる」

 決算は日々全力を尽くした結果。つまびらかに経営実態を開示する経営者の覚悟が求められており、いつの時代にも変わりはない。

タイムトラベル

 いま、大きく変貌した広島駅周辺の郷土史や再開発を題材にした地域ドキュメンタリー「駅周りタイムトラベル」上映会が4月21~23日、南区松原町の広島市映像文化ライブラリーである。

 4月1日、中区基町からエールエールヒロシマ10階に移転オープンする映像文化ライブラリー記念イベントとして、広島のアマチュア映像作家集団「広島エイト倶楽部」の作品群から計7本を特集する。

 中国新聞社元記者の佐々木博光さんらが制作した「広島の玄関口新時代」は、駅前再開発計画を見渡すとともに、南口Bブロックの取り壊しなどを撮影。「生まれ変わる愛友市場」は、南口Cブロック再開発と市場の移り変わりを地元の店舗などに取材。「エキキタ今昔」は、北口の歴史をさかのぼり、江戸時代の綿畑や明治以降の東練兵場について証言を掘り起こした。「カープ神社2つ」は、友元神社と愛宕神社の由来をたどり、駅前の変遷を捉えた。そのほか猿猴橋編3本。

 初日は上映後、佐々木さんや中村興夫(松原町町内会長)、山城政之(愛宕神社氏子代表)、久保田峻司(広島東照宮権禰宜)ら各氏によるトークイベントがある。エイト倶楽部は1958年に発足。会員23人。アマチュア映像作家ならではの味か、案内に「上映作品の中には映像・音声が良好でないものもある」と断りがあった。

 何より腕によりをかけ、丹念に広島を見続けてきた歴史がある。

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