インタビュー 2025.07.24

観光施策をデータドリブンに NTTグループ等と実証実験

広島県観光連盟(HIT)/ 山邊 昌太郎 チーフプロデューサー

実証での具体的な気付きは。

 広島を訪れる外国人観光客の動態を、3月から分析してきた。国別の調査ではイタリア、スペイン人の来訪率が高い一方で、宿泊率は低く約3割が日帰りしていることが明らかになった。SNSの言語別投稿数では英語に続いてスペイン語が多く、ここでも存在感を示す結果に。HITでは重点対応国を設定しているが、実は両国はノーマークだった。宿泊者数の少なさは認識していたものの、日帰り訪問を含めると来訪率が高いという事実に驚かされた。
 また米大手旅行サイト「トリップアドバイザー」のデータを活用した効果検証では、宮島におけるフランス人の宿泊率が他国に比べて特に高いことも判明した。これは見たことのない情報だった。例えば、フランス人旅行者がどんな情報に動機づけられて広島を訪れているのかを掘り下げることができれば、私たちのアプローチもより明確になる。施策とデータが連動することで、PDCAを高速で回すことが可能になる。

これから展開したいことは。

 2年前から掲げるのは「血流改善」だ。日本を訪れる外国人旅行客のうち、広島空港から入国する人は全体のわずか0・3%ほどだ。つまり広島空港から大勢を迎え入れるのは現実的ではなく、東京や関西を経由して広島に来てもらう流れを強化することの方が重要だ。そこで外国人旅行客の動態データが有効になる。
 3月からの実証で有効性を確認できたため、6月からは国内観光客の調査も開始。広島県の観光消費の約8割は日本人によるものだ。より効果的な手を打つことで、目標である「観光消費額の最大化」につなげる。データドリブンに関しては現在、JRとも連携協議を進めている。

組織再編にも取り組んでいます。

 本年度、新たに「セールス事業部」を設置した。この部門が市町や企業などとの関係構築を担う。これまでプロダクト開発のチームと一体だったが、役割を分けることで責任の範囲を明確化させた。
 魅力的なコンテンツ発信を担う「メディアプロデュース事業部」、サービス開発を担う「プロダクト開発事業部」を含めた3事業部が連動し、有機的に機能する組織体制を目指す。実証で得たデータをフル活用し、施策に落とし込んでいく。
 来年度から新たな5カ年計画が始まる。「世界トップ10」の観光地を目指すという野心的な構想を掲げており、本年度は実効性を持って動かす重要な1年になる。

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