水みらい広島 / 坂谷 隆太 社長
水道業界の動向は。
水道事業は全国的に市町単位の独立採算だが、人口減少による収益減、施設の老朽化、人手不足など課題が山積する。4月から上水道の所轄が厚生労働省から国土交通省に移行。従来のやり方だけで永続的な維持は困難な状態であり、水という社会インフラを支えるために待ったなしだ。
広島県では昨年度、14市町を統合した広島県水道広域連合企業団が発足。業務効率化を目指し、9カ所の浄水場を一元的に監視・制御するシステムなどDX化推進を当社が支援する。年度内に基本設計・試験を終え、25年度から運用保守を始める計画だ。浄水場ごとの異なる業務システムによってデータ連携が困難になる「ベンダーロック」を解除するという、業界の慣習に風穴を開ける先進的な試みになる。他県への水平展開の試金石となり、うまく軌道に乗せたい。
業績が好調です。

23年度(24年3月期)決算は前年比15%増の31億9800万円で、大台の30億円を超えた。大型受注で微減となった20年度を除き、12年の設立から右肩上がりを続ける。本年度は大津市の案件などが底上げとなり、38億円台と成長率はさらに高まる。県外、海外の案件などで成長を加速させる。
採用を強化しています。
人手の確保は大きな経営課題だ。大津市の案件だけで社員を約30人配置。3年前と比べて社員数は50人ほど増え230人を超えた。広島県の水道広域運転監視システムなどを考えると、さらに採用が必要だ。
そもそも水道事業の仕事の魅力を広く発信しないといけない。浄水場で機械を見ながら水の状態を管理するだけではなく、今まさにダイナミックに変化しようとする水道事業を、DX化などで大幅にテコ入れする役割を担う。所轄官庁の移行を含め、変化はビジネスチャンスになる。そこに携われる仕事の楽しさをしっかりと発信したい。社会インフラを支える使命感もやりがいにつながる。
昨春は高校・高専卒者の基本給を4.2%、大卒も2.3%上げ、この春も1%以上行った。デジタル化で3交代制勤務を縮小するなど働き方を劇的に変えようともくろむ。待遇改善、働き方改革を継続する。
魅力発信の取り組みは。
初めての試みとして、5月17日に市内で水道関連の事業者や学生向けセミナーを開く。「水道事業へのDX活用」と「海外水ビジネス」をテーマに、取引先のアマゾンウェブサービスや、水道開発で協力するパキスタンから水道事業責任者などを招く。水ビジネスの成長性、やりがいを発信する機会にしたい。