ネット動画広告の活用
インターネット動画広告の市場規模が拡大中です。2022年は前年比33%増の成長を遂げており、その傾向は今後も続くと考えられます。その背景として、動画広告は訴求力が強いことに加え、SNSの「ショート動画」化が進み、インターネットに接続できる「コネクテッドTV」も普及したためです。
動画広告の利用が拡大した理由
テレビでもネットでも動画広告が、文字や画像よりも多くの情報を一度に伝えられることは言を俟ちません。視覚や聴覚に訴えることで、感情やストーリーを伝えられ、静止画では伝えきれない詳細な手順や細部を表現することができます。
その上でネット動画広告の拡大の理由は3点あります。①メディア接触がSNS中心となり、動画共有サイトだけでなく、全てのSNSコンテンツが動画化してきたことです。その中に動画広告を出稿することは自然な流れです。②SNSの動画に挿入されたり、フィード(ホーム画面)で再生されるため、ユーザーの注意を引きやすく目立ちます。③表現力の強さを持ちながら、テレビ広告と違ってターゲティングの精度が高く、販売に直結できて効果検証も容易です。
ネット動画広告のタイプ
ネット動画広告は「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2タイプに分けられます。インストリーム広告は動画コンテンツの再生中に表示されます。コンテンツの中に挿入されるため、注意を引きやすいタイプの広告です。一方、料金が高いことがネックといわれています。アウトストリーム広告は動画コンテンツ外で表示され、ユーザーのフィードに埋め込まれます。サイト画面に広告を配信できるため、リーチが広がります。ターゲットに合わせてタイプを選びましょう。
制作のポイント
ネット動画広告を制作する際にはテレビ広告と同様に、ターゲットに合わせた表現やストーリーを考慮することが重要です。そして特に下記の3点に注意が必要です。①SNSの指定広告フォーマットで制作し、必ず冒頭の5秒に注意を引きつけたり、伝えたいメッセージを盛り込みましょう。ティックトックの5秒広告や、ユーチューブの5秒でスキップできる広告に対応します。②ユーザーが音声をオフにしているケースもあるため、字幕を入れてメッセージを文字で伝えるなど、音声なしでも見やすい工夫が必要です。③購入申し込みなどの行動を喚起するメッセージ(CTA=コール・ツー・アクション)を目立つように入れることが必須です。
言うまでもありませんが、広告メッセージはクリアで目的が明確でなければなりません。その上でターゲットの興味に合わせてストーリーを開発する必要があります。また、動画の冒頭が大変重要ですので、字幕やグラフィックスも含めインパクトのある立ち上がりを考えましょう。
ネットでの動画広告を活用すべき時代です。動画制作や編集も簡単になりましたので、専門会社に依頼しなくとも動画制作ができるようになりました。しかし、視覚的に魅力のある映像であることも必要なので、最初はプロに依頼することも検討してください。
PROFILE
宮田 庄悟(みやた しょうご) 1956年1月3日生まれ、和歌山県出身。早稲田大学を卒業し、79年4月に電通入社。東京、ニューヨーク、北京、ロンドンでマーケティング、イベント、スポーツ業務に従事。「ラグビーワールドカップ2019組織委員会」の広報・マーケティングなどを担当。20年4月から現職。