その他 2021.06.03

第4回 広経大教授が語る デジタルマーケティングの現在と未来

メディア環境を理解する

 2016年ごろにアメリカの多くのメディアはインターネットの表記を大文字の「I」から小文字の「i」に変えました。これはネットが電話や新聞のような一般名詞化したことの証明です。マーケティングのデジタル化を始めるためにはネット普及後のメディア環境を理解することが重要です。

①SNSの時代

 スマホとネットの急速な普及がメディア環境や行動、価値観を大きく変えました。博報堂の「メディア定点調査」によると、11 年のデジタル端末のメディア接触時間のシェアは32%でしたが、20年には52%と半数を超えました。こうした「スマホ時代」の主役に躍り出たのがSNSアプリです。総務省のデータによると、19年のSNS利用率は全年齢層で約7割となり、メールの利用、検索に次ぎ第3位になりました。

②メディア環境を整理

 これらをマーケティングの観点からみると、個人を含めた情報発信者が飛躍的に増え、情報のコントロールが消費者の手に渡ったといえます。これを整理するために「所有するメディア(オウンドメディア)」、「信頼や評判を得るメディア(アーンドメディア)」、「買うメディア(ペイドメディア)」の3カテゴリーに分ける「トリプルメディア」という考え方が提唱されています。

③所有するメディア

 これは自社のメディアを指します。会社概要だけではなく、マーケティングを目的とするSNSアカウント、PR誌、カタログ、POP、商品パッケージなどが含まれます。

④信頼や評判を得るメディア

 第三者が発信するSNS、ブログ、掲示板などが挙げられます。SNSで自社情報が取り上げられたり、商品を評価されたりすることで、信頼を獲得できます。口コミやマスコミ報道で取り上げられて評判になることと等価値なのです。一方、問題点は「内容をコントロールできない」こと。ネガティブな情報の拡散も考えられるので、常に自社の評価の監視が必要です。

⑤買うメディア

 ネット上のバナーや検索連動型広告などネット広告を指し、マス媒体も含まれます。
 デジタルマーケティングを始める基本はトリプルメディアを連携させることです。所有するメディアをハブにし、自社の強みや商品の差別化ポイントなどの情報を発信します。これだけでは到達範囲が限られるので、信頼を得るメディアと買うメディアを駆使し、情報を知ってもらう努力を続けることが重要です。発信情報を企画する際には情報のコントロールが「消費者の手にある」ということを忘れないでください。消費者に興味を持たれない、一方的な情報発信では何も伝わりません。

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PROFILE
宮田 庄悟(みやた しょうご)

宮田 庄悟(みやた しょうご) 1956 年1月3日生まれ、和歌山県和歌山市出身。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業し、79年4月に電通入社。本社マーケティング局、雑誌局、営業局などで広報、ダイレクトマーケティング、スポーツなど幅広い分野を経験。2014 ~19年、「ラグビーワールドカップ2019 組織委員会」で広報、マーケティングなどを担当。20年4月から現職。

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