広島の経営者は完全なインプット不足
GAFAすら知らない経営者
この一年は、経済界のさまざまな組織からお声掛けを頂き、セミナーを数多く実施してまいりました。その中で、皆さんにいつもする質問は「毎月どのくらい本を読んでいますか」というもの。すると、看過できない現実が見えてきたのです。月3冊以上はわずか1割前後。1、2冊もちらほらで、大半が全く読まない。続けて「GAFAガーファは知っていますか」と質問してみました。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの世界を席巻するIT企業の略称ですが、ちゃんと説明できる方は2割程度にとどまりました。
連載で再三指摘している通り、GAFAの中でも、とりわけアマゾンの動向はこれからも目が離せません。同社の登場により、過去10年間で起こった消費者行動の劇的変化は今後、AIなどの普及でさらに加速することは間違いなく、日本でも企業に及ぼす影響は場合により致命傷になる可能性があるからです。読書の習慣がないと、最低限知っておかねばならない知識にすら触れられないのです。
読書で「しりとり」のループから脱出
現在起こっていることを把握・検証し、今後を推測するには、やはり本から吸収するのが一番であり、経営者がインプットをおろそかにするのは怠慢です。インプットをしないことは、危険地帯をガードもつけず丸腰で歩くのと同じ。つまり恰好の「カモ」であり、数年後には立ち行かなくなる可能性が高いでしょう。また「アイデアが浮かばなくて困っている」と嘆く経営者も、インプット不足が原因です。「しりとり」では自分が知っている語彙以上のものは出てきませんが、これと同様、知っている範囲内のやり方ばかりを延々と繰り返してしまうことになります。
ではどのくらい本を読めばいいか。著名な経済評論家が「社会人は1日10分でも読む習慣を」とテレビで言っていましたが、それは小学生レベル。経営者たるもの、1時間は確保してもらいたい。ただし電子書籍はお薦めしません。紙の書籍に比べ、内容が記憶に定着しにくいことが、ノルウェーのスタヴァンゲル大の研究でも明らかになっています。
読者の質問コーナー
Q:社内にとどまらず取引先との「飲み会」を積極的に推進する企業体質に違和感がぬぐえない(従業員)。
A:いわゆる「飲みニケーション」は、「絆」「忠誠心」を重視していた古いビジネスモデルの悪しき慣習で、生産性がありません。アルコールでIQの下がった状態で吐き出された本音のようなものも、翌日にはきれいさっぱり忘れ去られていることでしょう。遠慮なく、上司に見直しを提言するべきです。聞く耳を持たないようであれば、本気で転職先を検討された方が良い時代になりました。
PROFILE
小林 カズヒコ
コピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。診断や相談先メール(匿名不可)marketingdefense@harukomania.com