スポット 2025.10.21

スポットニュース

経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

マツダの新事業

 何とかならんか。技術革新に挑み、ひたすら精魂を傾けた車づくりの歴史と現場に新事業のヒントがあった。


 マツダは、塗装部品の防錆(ぼうせい)性能を短時間で測定する技術を実用化し、持ち運べる測定器を開発した。2026年から受託型の評価サービス事業化へ向けた検証を本格化する。通常は数カ月かけ実際にさびを発生させて評価するが、電気化学の手法によって数分から数十分で判定。鉄塔や橋梁といった社会インフラ保全などに需要を見込む。
 昨年9月に新規事業開発室を立ち上げ、独自技術や生産設備を生かす方法を模索。第1弾で踏み出した腐食試験サービスの世界市場は年約6776億円。さらにバイオ塗料の開発などで一層の伸長が見込めるという。開発室の臼井久和主幹は、
「車部品の塗装をより薄く、より強くするために実用化した技術。こうした既存の得意技術を他分野に活用すれば、スタートアップのようなリスクを負うことなく、急成長できる可能性がある」
 目線を変え、新しい世界をのぞいて新事業のタネが見えてきたのだろう。自動化、電動化といった100年に一度の変革期に加え、トランプ関税がのしかかってきた。マツダならではのチャレンジ精神を発揮し、新境地を切り開いてほしい。

丹下の自邸を再現

 平和大通り側から平和記念公園を訪れると、資料館本館1階の柱間越しに、一直線上に並ぶ戦没者慰霊碑と原爆ドームを望むことができる。後にプリツカー賞を受けた丹下健三らが手掛けた。
 原爆ドームを中心に中区中島町〜基町を「平和の軸線」とし、祈りと学びの空間にする都市計画は1949年に市の設計競技で採用。解体論もあった負の遺産を平和祈念の象徴に昇華させた。
 資料館に取り入れたピロティ構造は内と外の境界を曖昧にし、自然と人を招き入れる役割があるという。


 53年に丹下が建てた東京の自邸にもピロティ構造を採用し、そこで国内外の名だたる建築家が集い、語り明かした。神原・ツネイシ文化財団(神原勝成代表理事)が丹下の思想が詰まった自邸を福山市に再現するプロジェクトを進めている。
 10月4日に始まったひろしま国際建築祭では第1弾として、11月28日まで会場の一つ「神勝寺 禅と庭のミュージアム」に自邸の縮尺1/3模型=写真=を展示。3年後に開く次の建築祭までに、実物大の〝写し〟を建てる計画だ。建築祭総合ディレクターの白井良邦さんは、
「丹下の弟子でプリツカー賞建築家の磯崎新が、丹下の娘に遺言で再建を託した話を当財団の神原が耳にし、瀬戸内海に臨む場所での再現を提案した。図面も実物も残っていないが、専門家チームが画像解析などを通じて設計を再解釈している。再び多くの人が集う場所にしたい」

地銀連携で観光誘客

 ひろぎんグループや中国銀行、山口銀行、みなと銀行が連携し、12月1〜3日の日程で「ラグジュアリーバスYUI PRIMAで行く〜恍惚を誘う瀬戸内めぐり 紡がれた伝統と古を慈しむ3日間」を計画。瀬戸内を巡る相互誘客プロジェクトを実施する。
 観光地域づくりを推進する、せとうちDMOに参画する地銀4行が地域事業者と協力して瀬戸内の歴史的、文化的価値を感じることができるツアーを組んで地域エリアの活性化をもくろむ。
 神戸・三宮、姫路発着。各金融機関お薦めの旧矢掛本陣、備中神楽、仙石庭園、賀茂鶴酒造、岩国・錦帯橋、柏原美術館、下瀬美術館などを訪れる。鴎風亭、江田島荘で宿泊。神楽衣装体験もある。神姫バスは、
「特別仕様のバスにコンシェルジュが同行。体験メニューもある。相互誘客旅行は広島発着などでも行っており引き続き瀬戸内ツアーを企画したい」

日本酒を割る

 酒都西条で恒例の酒まつりが10月11、12日にJR西条駅前一帯であった。日本酒がテーマのイベントでは国内最大規模で、今年は約22万人が来場。その一角で、新たな酒文化の可能性を模索する動きも見られた。
 賀茂鶴酒造は、定番の日本酒飲み比べや限定酒のほか、自社製梅酒とチチヤス(廿日市市)の乳酸飲料チー坊を使う低アルコールカクテル、日本酒を冷たい炭酸水で割る〝酒ハイ〟を初めて販売。最高気温30度を上回る秋晴れの下、飲みやすく爽やかなドリンクに喉を潤す若い女性の姿があった。広報課の新谷ゆみさんは、
「特に若い層で低アルコール飲料を求める傾向が強まってきた。しかし既存の製造法でアルコール度数5%を下回るような日本酒を造るのは難しい。8月にハンバーガーチェーンのシェイクシャックと〝酒シェイク〟でコラボしたように、今後も新しい飲み方を若者に提案していきます」

縦糸と横糸

 地震大国日本は高度成長期の建築物が建て替え時期に入り、全国各地で公共インフラの老朽化が表面化。コンクリート構造物の長寿命化を企業使命とするSGエンジニアリング(西区)は、関係方面からIPH工法(特許取得の内圧充填接合補強)の引き合いが増えてきたという。
 創業した加川順一社長が粘り強く、同工法の普及に取り組み、IPH工法協会を通じてほぼ全国を網羅できる施工体制を整えた。次女の大西奈々専務は、
「工法の普及にかけるすさまじい情熱を間近で見てきた。災害に遭ってからでは遅い。社長の信念と向き合ううち、私自身もIPH工法の重要性に気付かされた。もっと広く、多くの方に知ってもらうことが大事だという思いが募ってきた。さらに工法効果を確実にするため、大学などとの共同研究を続け、専門性を深めている」
 NPO法人社会基盤ライフサイクルマネジメント研究会の会員企業として子どもたちに建築・土木分野に興味を持ってもらおうと橋の清掃活動に取り組むうち、インフラメンテナンス国民会議(事務局=国交省)の「ちゅうごく」企画委員にも任命された。縦糸の父と横糸の娘で、日本のインフラを守る。

ロータリー哲学

 ロータリークラブ(RC)の活動は本質的に自己教育運動が根っこにあるという。9月1日結成の広島新世代RCは、こうした哲学の伝承をクラブの理念に据えた。
 過去に三つのRCに所属し創立会長を務める諏訪昭浩さん(63)は当初、奉仕や親睦といった捉え方に違和感を覚え退会を考えたこともあった。しかし、研究家の小堀憲助さんの言葉が転機となる。
「ロータリーは自己教育運動という至言に触れ、歴史を学んだ。奉仕とは仲間に優しく接する心から生まれると気付いた」
 1905年に米国シカゴでRCが初めて設立された当初、相互扶助の性質が強く、数年後に利己と利他の調和を説く職業奉仕の考え方を提唱。これが社会奉仕へと広がり、1923年の決議で個人奉仕を基本としつつ団体奉仕も認める方針が確立したという。
「つまり人格形成が土台にあり、そこから奉仕の精神が発揮される流れが重要。全国のRCに、この原点を改めて伝えたい」
 戦後の混乱を乗り越え49年から順次、国内のRCが再開。地域社会の発展の一翼を担い続ける。

強烈特化厳選

 イズミは2025年8月中間決算を踏まえ、価格訴求による集客力強化の加速とともに付加価値商品を拡充する。顧客満足の最大化を図りながら消費の二極化に着実に対応する戦略を推し進める。
 物価高などから節約志向が強まる中、上期で60品目から100品目に拡大した〝全力応援値下げ〟より、さらに強力な低価格の〝強烈特価厳選100〟を打ち出すほか、三つの商品ラインをそろえ、9月に投入した自社開発PB「ゆめイチ」も低価格ニーズを取り込む狙い。低価格訴求の原資を自社製造の総菜「ゼヒ」、「これ旨」など付加価値品で確保するもくろみ。PB事業は向こう10年で食品内構成10%を目指す。

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