桐原容器工業所 / 桐原 真一郎 社長
今までで一番の挑戦は何ですか。
経営の苦しかったわが社を立て直したことです。当時は父が社長で、私は工場長として改革に乗り出しました。製造業の基本は良い材料を仕入れて、良い物を作り、正当な価格で買っていただくというサイクルです。しかしその頃は、せっかく受注した製品を作り切れなかったり、一部を外部へ製造委託していたりという状態。製造部門の信頼性が不足していました。
まずは内製化を進めて、作らなければいけないものは自分たちの工場で絶対に作り切るという意識を社員たちに植え付けました。「あんたが来て、面倒な仕事が増えた」と言われましたが、やり切らなければ会社が続きません。地道な努力を重ね、いつしか業績は回復しました。
そんな苦しい時期にも、新卒社員の採用はやめませんでした。そのおかげで、一緒に苦労を乗り越えた若者たちは成長し、今では新人の指導や工程間の調整など、会社を回す立場として、近年の好業績を支えてくれています。

社長就任への抵抗は。
ありませんでした。社長になると意識したのは高校生の頃です。進路希望に家業と全く関係のない大学を書いたら父に「会社を継がないのか」と言われました。その時初めて父の意思を知って、それをすんなり受け入れました。責任を持つのは楽しいことだと思っています。大変な分、達成感も大きいですから。
社長として心掛けていることは。
社員には明るくはっきり何でも言うようにしていて、オープンな関係づくりを目指しています。また、社員が積極的に経営へ参加する雰囲気も重要。例えば、工場で使う機械は社員に選んでもらっています。そうするとみんな大切に扱ってくれるんですよ。
決算書が私にとって成績表のようなもの。良い結果を得られた時はうれしいですね。問題が起こることもありますが、投げ出しても良くなるわけではありません。解決策は社員みんなで考えます。
PROFILE
桐原 真一郎 社長 1963年生まれ、広島市出身。広島大学工学部から県外の製紙会社を経て、90年に桐原容器工業所へ入社。2010年、4代目社長に就任。学生時代から自転車が趣味。