保育サービス事業を全国展開するアイグランホールディングス(西区庚午中、重道泰造会長兼社長)は、2024年12月期決算で前期比5・5%増の売上高225億2578万円を計上。保育士の処遇改善を積極的に進め、経常利益は前期から2億円減の8億5262万円だった。待機児童が徐々に解消し新規開園は落ち着いてきたが、公設民営化の園が着実に伸長。今期は成長の兆しを見せるフィットネスジム事業を新たな柱に据え、売上高240億円強、経常利益7億円強を計画している。
01年に保育事業に参入し、直近の2期続けて大台の200億円を突破。認可園の運営実績が評価されて公設民営園が増え始め、4月以降で6園の開設を予定している。国の支援がある保育士の処遇改善手当は、病院向けを主力に受託運営する認可外(企業主導型を除く)園は対象外。重道会長は「責任ある同じ保育の仕事に待遇格差があってはならない」とし、格差是正に2億円を上回る人件費増に踏み切り減益となった。支援対象外の保育士に配慮した独自の処遇は業界でも珍しい。
3月現在で認可98、民営化16、企業主導型直営35、事業所内278園のほか、放課後児童6、児童発達支援29(うち放課後等デイサービスとの多機能型が2)などを北海道〜沖縄で467園(うち14園は4月以降の開園予定)展開。0〜5歳の未就学児約1万2000人を預かり、保育士は約5000人が働く。保育士の負担を軽減し、子どもの見守りをIoT化するなど業界に先駆けて安全や信頼への投資も図ってきたが、昨年12月に北海道で発生した事故を受け、1月に安全対策部を設置。独自のマニュアルも用意し、保育の安全管理を徹底するため毎月、現場をチェックする体制を整える。こうして蓄積した知見を保育士不足が深刻化する業界に役立ててもらう考えだ。
保育以外の柱を増やす
児童発達支援施設はFC方式で21年春から全国展開に乗り出したがFC本部が昨年6月経営破綻し、1月から直営に切り替えた。発達障害児への理解が進み、早期診断の加速によって療育支援の需要は増加傾向にある。運営ノウハウを生かして多機能型タイプを増やしていく。
フィットネスジムは福利厚生の一環で受託園の集積地に24時間営業の「エニタイムフィットネス」をFC運営する。15年に都内初出店以来、31店(うち都内10)・会員3万5000人を数え、売り上げ25億円規模に拡大。全国1100店のうち4店が売上順位トップ10入りしている。武蔵野市の吉祥寺店は会員数が全国一の2000人を超える。引き続き出店を加速していく。