海洋ごみゼロへ
2050年には魚より、ごみが多い海が広がる。16年に世界経済フォーラムが発表した報告書は、海洋国家の日本にとって看過できない内容だった。
毎年海に流れ込む800万㌧のプラスチックごみから出る有害物質はプランクトン、小型魚類、大型魚類と食物連鎖の上位捕食者へ濃縮され、最終的には魚を食べる人間に蓄積されるという。瀬戸内海へ流出するプラスチックごみゼロを掲げる広島県は9月13日、使い捨てプラ容器などの使用量を減らすキャンペーン「ACTION FOR ZERO Miyajima」を始動した。
廿日市市宮島口で開いたローンチイベント「環境に優しいマルシェ」には、食品パッケージ商社のシンギ(中区)のほか、廃材のアップサイクルを手掛けるアオイチキュウヘ(東広島市)など計12の企業や団体が出展。それぞれが取り組むリデュース、リユース、リサイクルや環境負荷が低い素材への置き換えの重要性などを発信した。シンギの広報担当は、
「従来のプラ製の代替品となる生分解性容器は、正しく回収・処分すれば数週間で土に返り、環境負荷がない状態になる。消費者にも認知してもらい、日常でも少しずつ置き換えてみてほしい」
全国の商社つなぐ
東京と広島で同じ悩みを持つ電子部品商社が膝を突き合わせ、解決の糸口を探った。
中四国電子制御部品流通協議会(CSEP、会員24社)は9月17日、全国電子部品流通連合会(JEP)の屋宮芳高会長を招き意見交換した。CSEPの中野和久会長は、広島駅新ビル開業などで活発化している商況を報告。地元商社が互いに不足製品を融通することがあるが、在庫の把握などで苦労すると悩みを明かした。JEPの屋宮会長は、
「各地の協議会を回る中で、同様の声をよく耳にする。ネットワーク強化を図り、例えば全国の会員が商品を取引できるプラットフォームの構築を計画している。広島の電子部品業界は顔が見える関係が特徴で、コミュニケーションが盛んだと聞いた。良いところは残しつつ、東京の成功事例を取り入れながら発展してもらいたい」
2022年10月のJEP会長就任から既に4回来広。足で情報を稼ぐ。
節目で伸びる
戦後80年、昭和100年を機に、わが家のルーツや時々の出来事、歴史を再確認し、末永く家系図を継承したいと考える人が増えているのだろうか。
企画・印刷・印鑑制作などの文華堂(中区国泰寺町)は数年前から家系図制作サービスを本格化。依頼に弾みがついており平均すると月3、4件。個人からが8割を占めるという。伊東剛社長は、
「チャンスがあれば家系図を整理し、子どもたちに残しておきたいと思いながらも、つい忙しくてそのまま。しかし当社の家系図制作サービスを知り決意される方が多い。家族のつながりは何事にも代え難い宝。節目の都度にこれまでを振り返り確認する。人生を豊かにする糧ではないでしょうか」
ヒアリング〜戸籍謄本や過去帳、古地図などを調査。事実確認をしながら制作していくが、古い戸籍を読み込み、適切に情報をまとめる作業に膨大な時間を要する。AIを有効に活用する案も検討中のよう。制作費用15〜65万円と追加で出張調査を希望する場合は実費。
腸活で快調
快便は健康のバロメーター。腸の機嫌が良いと仕事も遊びも快適に運ぶ。植物乳酸菌飲料「マイ・フローラ」の野村乳業(府中町)は8月27日、腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービスの販売を始めた。
予防医療領域の検査サービス会社プリメディカ(東京)が開発した「フローラスキャン」を扱う。自宅で採便し、ポストに投函するだけで医学的根拠に基づく検査が簡単に受けられる。ECサイト「工場直送できたて便」から注文してもらう。野村和弘社長は、
「腸内フローラを5タイプに分類し、一人一人に合った腸活をアドバイス。経営の柱に腸活を据えている。マイ・フローラの働きによる腸内フローラの改善を実感、納得して毎日の食生活に取り入れていただきたい」
検査キットは、採便用ブラシや腸内フローラアドバイスブックなどをセット。
カープ選手のパフォーマンス向上へプリメディカと協働し、球団の協力を得て今シーズン対象に選手8人にマイ・フローラを摂取してもらい体調管理などをサポート。連日の猛暑で筋力低下につながる体重減に悩まされるが〝快腸〟で体重を増やした選手の報告もある。10月末に再検査、12月に結果が出る予定。来シーズンに向け食生活の改善提案を続けていく構え。何としても日本一を願う。
価値観をぶつける
広島駅ビル「ミナモア」で共創拠点「ミオバイドッツ」を運営するDoTS(ドッツ)は9月16日、就職活動を控えた大学生20人と地元企業5社の人事担当者らが雑談形式で交流するイベント「FUNADE LOUNGE」を開いた。
「価値観マッチング」をコンセプトに企業紹介は各社2分ほど。その後に学生が約1時間かけ、5社のテーブルを順々と訪れた。自身の価値観に沿って「具体的な社会貢献活動の実績は」「女性はどのくらい活躍しているか」「福利厚生の詳細は」などと、率直な質問をぶつけた。人事担当者がたじたじとなる場面もあったが、本音で語り合う貴重な時になったよう。
依然として採用市場は学生優位が続く。一方で、せっかく採用した人が入社早々、職場環境にギャップを感じたのか早期退職、転職するケースも多い。京都嵯峨野の倉重達成取締役は、
「入社後にミスマッチに気付いても遅い。学生は判断力、価値観を磨いてもらいたい。われわれ企業は言いづらいことも率直に学生へ伝える。入社前の情報交換、意思疎通こそ大事だと思う」
社長グッズ登場
社員との距離感は案外と難しい。きつく叱ると離れていく。そうしてすぐに転職。従業員と職場をつなぐエンゲージメントをどう高めていくのか、頭を抱える社長も多いのではないか。
ブライダル関連などの贈答品を企画・制作・販売するファルベ(中区大手町)はこのところ企業からの制作依頼が増えているという。祝賀パーティーの招待状や席札、賞状、認定証などのほか、何と〝社長グッズ〟の引き合いも舞い込む。もっと身近に感じてほしいという狙いなのか、社長の全身をデザインしたアクリルスタンドや、栄養ドリンクのふたに顔写真をデザインしたものまで、奇抜な注文を受ける。宮村志穂社長は、
「ちょっとしたことが親近感を増し、帰属意識や定着率の向上につながると思う。今は県外からの引き合いが大半。転出超過を抑制するためにも広島の企業にはユニークな社長グッズを提案したい」
さて、それで元気が出るかどうか、ぜひ挑戦してほしい。
福祉活動の原点
地域共生社会とは何か。トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校は介護福祉学科、こども保育学科に加え、近隣の高校生と一緒に総勢150人で地域連携型授業「地域いきいきプロジェクト」を実施している。教室を飛び出し、地域の人との交流体験を通じて福祉の在り方などを学ぶ。
5グループを編成。毎週水曜日の午前中、学生主体にそれぞれで活動を展開している。近くの公園で高齢者と「スポーツ交流」や、高齢者宅を訪問して行う「庭の剪定」、将棋の相手をする「リトルへルパー」などを行っている。9月には学校内に子育て支援拠点「フレンドリースペース」を設けるほか、高齢者向け「eスポーツ体験会」も開く。入試広報を担当する神島和也さんは、
「社会に出れば、地域との関わり合いがいかに大切かを知る。職業人としてのスキルはもちろん、共に支え合う経験を重ね、心の交流を創り上げていく喜びを体感し人間的な魅力を深めてもらいたい。人生の糧になります」