建築金物など卸販売の秋本産業(中区寺町、金子俊介社長)グループ会社でプラスチックや樹脂加工のイデアル(安佐南区西原、荒木英己社長)は2月1日に周南営業所(山口県周南市徳山)を新設し、コンビナート企業などの顧客開拓を図る。デザイン〜加工の一貫体制でさまざまな樹脂製品に対応。秋本産業は130年近い社歴があり、建築関係などの顧客を多く抱える。物件竣工時の看板や表札、物品管理のタグなどをイデアルが提案することで、営業の相乗効果を狙う。

新拠点は秋本産業の周南営業所内に置く。当面は、生産や営業に長年携わった宮崎洋一所長(59)の一人体制で、年間売り上げ2000万円が目標。軌道に乗れば2〜3人に増員し、1億円を目指す。(電)080ー6241ー6099。1990年創業で年商2億5000万円。1000平方㍍弱の本社敷地に工場を構え、レーザー加工機やCNCルーター(切削加工機)、パネルソー、ダイヤプレーナー(板端面加工機)などの設備を持つ。建具や室内装飾、看板など、さまざまな製品を受注。社内デザイナーを抱える企画力も強みで、企業の周年ノベルティグッズやインテリア用品、模型などの製作も手掛ける。後継者不足から、2022年9月に秋本産業のグループ会社となった。

秋本産業は売上最高40億円へ

秋本産業は金子社長(76)が09年に妻の家業を継いでから、自社配達時の御用聞きに注力することで受注を伸ばす。23年11月期の単独売上高は前期比4%増で過去最高の38億5000万円を見込み、当初の約3倍に拡大。今期は初の40億円を予想する。商材は建築金物が主力だが、関連する工具や鉄筋曲げ機などを求める顧客に応えて、品ぞろえを拡充したことも奏功。ものづくり関連の補助金申請の支援なども行い、顧客の設備投資を後押ししている。08年のリーマンショックで廃業を検討していた三次や呉、福山の販売店の事業を譲受し、それぞれのノウハウを吸収するとともに全体にフィードバック。本社社員と所長を集めて決算報告・経営方針の発表会を行い、現場からの改善意見をくみ上げてきた。例えば22年6月に事業譲受した長坂建材(江田島市)は、秋本産業が手薄だったセメントやコンクリート原料の扱いに強い。鉄筋業者からの要請で進出した岡山を含め、黒字化した。22年に進出した山口エリアの黒字化へ、イデアルとの連携を強める方針だ。2月か3月に金子社長は代表権のある会長となり、生え抜き社員で総務・経理部長の榊原誉男氏(47)が取締役社長に就く。

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