日本製鋼所広島製作所(安芸区船越南1-6-1、二宮俊幸常務理事所長)は、敷地内に造粒機や二軸混練押出機などの第10組立工場を建設する=完成予想図①=。昨年12月に着工し、今年12月の完成予定。一部2階建て延べ6342平方㍍で、親子クレーンや塗装ブースを設け、2階は事務所にする。造粒機など樹脂機械関連製品部材の加工を行う新機械工場=予想図②=も昨年9月に着工しており、来年9月の完成を計画する。築80年を超える前射出機組立工場跡地にスクラップ&ビルドで、一部2階建て延べ8828平方㍍を新築。自動搬送機などを備えたスマートファクトリー化に取り組む。両工場とも屋上に太陽光発電設備を設置する。

②:樹脂機械関連製品部材の加工を行う新機械工場

第10組立工場はグラウンド跡に建設。1階は6039平方㍍で、2階の事務所は303平方㍍。60/20㌧親子クレーン、30㌧クレーン各1基、20㌧クレーン2基、2㌧ウォールクレーン12基を備え、組立人員は約30人を見込む。屋上の太陽光発電設備は容量924㌔㍗で、年間発電量は約1㌐㍗時を見込む。建屋・設備の総投資額は約29億円。造粒機の生産能力を現状の年間10〜15台から20台に引き上げる。EVに搭載するリチウムイオン電池のセパレータフィルム向けのフィルム・シート装置では最終工程の巻き取り機の生産能力を1・5倍の30台に高める。新機械工場は15㌧、10㌧、4・8㌧クレーン、ヤードクレーンなど計14基、横型マシニングセンタ、横中ぐり盤、平面NC研削盤、NC円筒研削盤など約20台を設置。屋上に容量1244㌔㍗の太陽光発電設備を設け、年間発電量1・26㌐㍗時を見込む。1階は工場と事務所で、2階に会議室、休憩室を配置。事務所部分はZEB認証取得を予定する。投資額は75億円規模。2024年3月期の広島製作所の売上高は1536億円と過去最高を更新。主力の射出成形機、造粒機、フィルム・シート装置などの設備増強を行っている。23年9月に、天井クレーンや自動倉庫などを備え射出成形機の部品を集約し、組み立ても行う第9組立工場(2階建て延べ9043平方㍍)を完成。総投資額は約18億円で、射出成形機は2割増の年間生産3000台体制を整えた。同年10月にはグループ会社のサンテクトロが射出成形機の電子基板の作業スペース1200平方㍍を増築。23年には防衛関連機器用の特機倉庫も新設した。

担当記者:大谷

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