広島県は3月、企業の課題を分析して適したDXの手段やソフトウエア、活用できる補助金などを調べられる「DX簡易診断ツール」を公開した。銀行の融資担当者や経済団体の経営指導員らに活用してもらい、DXに取り組む事業者の裾野を広げる。利用者はスマホやパソコンからアクセスして使う。業種や従業員数と、「売上・販路拡大」、「人材の確保と育成」などの六つから改善したい領域を選んだ上で、10数問の選択式の質問に答える。ツールが課題を分析し、改善方法のアドバイス、お薦めのソフトウエア、関連する補助金情報などを示す。同様の課題を抱える事業者の取り組み事例と成果も紹介。補助金やソフトウエアをすぐ調べられるようにリンクも付ける。所要時間は約5分。DX化の助言に加えて補助金まで一括で調べられるサービスは珍しい。取り組み事例や補助金、相談窓口の検索機能もある。県は2022年に「DX加速プラン」を策定。DXを通じたビジネス変革に取り組む事業者の割合を、25年度までに現状から約2倍の5割にする目標を掲げる。昨年度は40社に専門家を派遣して課題の分析からソフトウエア導入、効果検証まで行う「DX実践道場」を実施。今後は中小企業と日頃から接点のある経営指導員らを通じて面で支援を広げる。経営指導員らにDXの知見や支援ノウハウを身につけてもらうセミナーを開くほか、相談窓口を立ち上げる。企業の内部から業務全体のプロセス改革などを推進できる中核人材を育てるプログラムも予定。
担当記者:大島