80周年ビジョン
アスティ(西区)などの持ち株会社4℃ホールディングス( 東京)の2月期連結売上高は前期比0・1%減の394億円だった。ジュエリー事業が前期比8・6%減の169億円に対し、アパレル事業は前期比7・4%増の224億円。7期連続増収としジュエリーの減収を補った。2020年からスタートした第6次中計(3カ年)の最終年度に当たり、初年度に比べてほぼ横ばい。コロナ禍で両部門が明暗を分けた。行動制限の影響を受けたジュエリー事業はブライダル部門が約32億円減、ギフトも需要低下。店舗を集約・大型改装する改革に取り組んだ。巣ごもり需要や在宅ワークなどが追い風となったアパレル事業は、総合衣料品店「パレット」がけん引。バングラデシュに生産拠点を整えたアスティのアパレルメーカー事業が好調だった。今期は引き続きジュエリー事業の構造改革を進め、減収ながら3期連続増益を予想。アパレルは8期連続増収、3期連続増益を見込む。今期からスタートする7次中計で36億円の成長投資を予定。最終年度の27年2月期はジュエリー172億円、アパレル270億円、連結売上高450億円、営業利益31億円を目指す。1950年に創業来、80周年へ向けた2030ビジョンは31年2月期に連結売上高600億円、営業利益51億円を目標。8次中計以降は事業領域拡大により、飛躍的な成長を描く。
夢と社会貢献
マツダ財団は4月12日、今年度の青少年健全育成市民活動の支援先を決め、県内20団体への贈呈式を開いた。活動内容はさまざまだが、人と人が温かく互いの夢を重ねているようだ。命の大切さを伝える人権紙芝居のデジタル化、瀬戸内の島の自然と歴史がテーマの映像作品作り、ボランティアや音楽、スポーツ、伝統芸能、学習活動など、地域に青少年の居場所をつくる取り組みを支援する。菖蒲田清孝理事長は、「年初に能登半島を地震が襲った。自然は人の営みを一瞬で奪ってしまう。対抗できるのは人と人とのつながりだという思いを強くした。夢というのは、誰かに役立とうという思いや社会貢献の要素が加わると諦められなくなる。そうした夢が志になる。今後もこうした思いを持つ人たちをしっかり支援していきたい」
金融リテラシー講義
日本の金融経済教育は欧米に比べて立ち後れているという。もみじ銀行は4月9日、山口FGや金融業のSMBCコンシューマーファイナンスグループなどと連携し、広島女学院大学で単位取得型の金融リテラシー講義を始めた。7月23日までの毎週火曜全15回で、全学生が対象。「ライフプランニング・家計管理」、「年金・保険」、「キャッシュレス」、「消費者トラブル」、「資産運用(基礎、実践・リスク管理)」、「賢い消費者になろう」、「経済の仕組みを理解しよう」などのカリキュラムを各社が分担し講義する。もみじ銀行では、「2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられたこともあり、金融リテラシー教育の必要性が指摘されている。貯蓄から投資への機運を高め、大切な資産を守るサポートを行いたい。併せて地域経済の仕組みなどを学ぶ機会としてほしい。9月からは修道大学で同様の講義を予定しています」
将吾と翔吾
頑張れカープ。まだ開幕して間もないが、今シーズンもどうやら打線の奮起が明暗を分けそうだ。マツダ車販売のアンフィニ広島(南区大州)は攻撃の軸になる2人の「ショウゴ」を起用し、開幕に合わせて新しいCMを公開した。2年前からCMに出演する坂倉将吾捕手が営業マン、新登場の秋山翔吾外野手が整備士役としてカーライフをサポートするという設定だ。新車業務部の畠中知宏部長は、「秋山選手は長年にわたり、球場にひとり親家庭の親子を招待するなど人間性に優れており、かねてから出演していただきたいと考えていた。車業界は整備士の人手不足が特に深刻。攻守に高い技術を持った秋山選手の力を借り、イメージアップにつなげたい」コンセプト〝進め、チーム広島!〟は複数人のスタッフでチームを組む、独自の営業システムに由来する。なお店長役で登場する石原慶幸コーチもお見逃しなく。
〝経年美〟木製ドア
国産材を使った木製ドア製販のユダ木工(廿日市市木材港北)が、節目の創業100周年を迎えた。創業者の湯田新造さんが佐伯郡五日市町(佐伯区)で建具屋を始めた。縁あって1951年に山口県の旧ザビエル記念聖堂のエントランスドアを手掛けたことが、現在のルーツとなった。70~80年代にはツーバイフォー住宅向けの枠付きユニットドアを発売し、建設ラッシュに沸くマンションのドアも手掛ける。しかし大手建材メーカーの参入や輸入製品の台頭などで価格競争が激化。バブル崩壊後で業績が落ち込む中、付加価値の高い国産材ドアの開発に乗り出す。主流の鋼製ドアとは差別化を図り、大手メーカーが参入しづらいニッチな市場を開拓してきた。2011年に発売した国産ヒノキの高断熱玄関ドアシリーズ「MIYAMA桧」が好調推移し、前5月期売上高は3億9800万円と5期連続増収を達成。新造さんの孫で、3代目の湯田卓社長(67)は、「苦境にぶつかり、当社らしさとは何か、懸命に考えた。手入れをするほどに風合いや愛着が増す〝経年美〟に焦点を絞り、開発に打ち込んだ。環境意識の高まりを追い風に、さらに国産材の魅力を広めていきたい。これからも顧客の声に耳を澄まし、生活の価値観が感じられる製品を追求していきます」
帆船で職業体験
次世代に豊かで美しい海を引き継ぎたいという思いがある。瀬戸内プロジェクトin広島と中国地方海運組合連合会が共催し、昨年10月に開いた「帆船みらいへ体験乗船イベント」が2023年度の海事広報アワードで海事局長賞を受けた。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で、広島初開催。2日間で小中学生55人が参加し、訓練用帆船「みらいへ」に乗り込んだ。海や船の役割、あまり知られていない船員の仕事内容を体感。ユーチューブやニュースサイトに掲載し、多くの人に見られる工夫も受賞のポイントになった。海運組合連合会の永見慎吾専務理事は、「みんなの生活を支える海上物流は、どのような時代でも絶対になくならない。子どもたちが将来、海に関わる仕事に就いてくれるよう願っている」
ペーパーレス推進
東京海上日動火災保険広島支店は支店独自の取り組みとして、(公社)広島県みどり推進機構と連携した「ペーパーレスフォーグリーンプロジェクト」を実施した。押印不要に加え、環境保護や輸送、保管コストの削減など顧客・代理店双方にメリットが多い一方、紙での申し込みもいまだ多いという。昨年10月から5カ月間、ウェブ手続きなどを行うと、一口につき5円を同社負担で「緑の募金」に協力。4月16日に贈呈式を開き、4万3419件にあたる21万7095円分の目録を手渡した。「ウェブ証券なら万が一の地震、水害時でもすぐに契約内容を確認できます。今後も広島の環境保護活動に加え、お客さまの利便性向上にも努めていきたい」(担当者)
日本の美
ウッドワン美術館( 廿日市市吉和) は「Japanese Beauty めぐる日本の美~松園からミュシャ、ガレまで~」を7月7日まで開く。19世紀後半に西洋諸国で起こったジャポニズムといわれる日本美術ブーム。日本と西洋の双方向で影響をもたらしたと伝わる。日本絵画はどのような影響を受けたのか。女性美を表現した上村松園や鏑木清方、伊東深水をはじめ、日本美術に影響を受けたミュシャ、ファン・ゴッホ、エミール・ガレらの計83作品を展示。