大谷翔平、山本由伸の破格の長期契約によって、日米の景色が変わった。ダルビッシュ有、菊池雄星、吉田正尚、鈴木誠也、千賀滉大、前田健太、松井裕樹、今永昇太らを加えると、日本人選手の相対的地位(市場価値)が上がった。それに比べ、日本にやってくる外国人選手たちの評価が年々下がっているような気がしてならない。来日する外国人選手をかつて〝助っ人〟と呼んでいたが、今は大リーグへ移籍する日本人選手の方が助っ人になっている。昨季のカープは野手のライアン・マクブルームとマット・デビッドソンがシーズンを通して働くことができず、共にチームを離れた。その代わりに今季は米レッズでプレーしたマット・レイノルズ、昨季マイナーリーグの3Aで30本塁打、105打点をマークしたジェイク・シャイナーが加わった。いずれも右打ちの内野手で、シャイナーは外野もできる。一方、昨季安定した成績を残したニック・ターリー、途中から中継ぎに回り一定の役割を果たしたドリュー・アンダーソンとの契約は不成立に終わった。この状況下で獲得したテイラー・ハーンはメジャー通算101試合に登板し12勝15敗、防御率5.35。同じくパイレーツなどで投げたトーマス・ハッチは39試合で4勝4敗、防御率4.96。いずれも常時150㌔を超える速球を投げる。ただ思うに、ロベルト・コルニエルを除く4選手の一斉入れ替えについては、ファンとして一抹の不安が残る。彼らには日本でのプレー経験がない。カープが頂点を目指すためには、4選手が戦力の厚み(助っ人)になることが必須だと思う。

プロフィル

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」

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