コードと種、土を入れたプランターを海中に沈めて検証

海洋分野の新技術開発に取り組むベンチャーのシーテックヒロシマ(呉市阿賀南、今井道夫代表)は海の生態系の維持に重要な役割を果たすアマモ場の再生に向け、バイオコード(ひも状のろ材)を使うアマモ養殖の事業化を目指す。今春から秋にかけ、県内などで種の採取や養殖を検証する。アマモは浅瀬に生育するイネ科の植物で、さまざまな生物のすみかになる。函館高専(北海道)やポリマー加工のナゴヤサーフェステクノロジー(名古屋市)と連携。沈みやすいよう重りを入れたバイオコード(参照:写真)に、成長を促すリン酸イオンなどが定着しやすい加工を施して格子状に組んだシートを開発した。これを種と共に海や淡水に沈め、発芽や生育に優位性が出るかを調べる。これに先立ち昨秋から、コードと種、土を入れたプランターを海中に沈めて検証(参照:写真)。アマモや海藻が定着することが分かっている。アマモは埋め立て地では育ちにくく、海水温の上昇もあり年々面積が減っているが、近年はCO 2を吸収・固定する「ブルーカーボン」の効果が注目されている。現在は採算性などに課題があり、再生に取り組む事業者は少ないという。養殖方法の確立後、漁業関連事業者などに導入を呼び掛ける。アマモの保全・育成事業などに対してクレジットが発行され、それを企業が買い取るJブルークレジットの仕組みを活用し、持続的に活動できる仕組みの構築を目指す。

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