マツダ(毛籠勝弘社長)はゲーム・アプリ開発プラットフォームで世界大手の米国ユニティ・テクノロジーズの日本法人(東京)と協力し、運転席回りの設備を直感的・視覚的に操作しやすくする仕組みを開発する。グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI:イメージ画像)と呼ばれる領域で、3月7日にパートナーシップ契約の締結を発表。ゲーム業界で使われる3D表現や開発エンジンの技術進歩は著しく、製造業に取り入れることで高度なシミュレーションが可能になる。〝ものづくりDX〟が急がれるなかで近年、注目されている。
ユニティはメルセデス・ベンツなどでも実績があり、車載オペレーティングシステムへの実装を含めてマツダのGUI開発を支援。デザインや設計をはじめ自動車開発に必要となる多様なデジタルツールと綿密に連携させて手戻りを減らし、試作前のシミュレーションなどを通じて作業効率を高める。最適化したアプリケーションを車載機器に組み込み、安定性や機能を向上。マツダの今田道宏執行役員(統合制御システム開発担当)は「人間中心の開発思想の下、直感的に使いやすくする。安全性と利便性がさらに上がり、〝走る歓び〟が強まる」という。2030経営方針のフェーズ2(25〜27年)以降で導入するモデルに搭載を見込む。将来は個人の嗜好に沿ったドライビング体験や没入型のエンターテインメントなどにつなげたい考え。