モータースポーツを切り口にマツダファンや車好きを増やす試みを加速する。一般からレーサーを選抜育成するプログラムの参加希望者が増えるほか、レース併催のファンフェスタも盛況で手応え十分。「モータースポーツの敷居は高いと思われているが、ライセンス不要のレースは多い。プログラムによって入り口をさらに広げ、共に挑みたい」。S耐にはカーボンニュートラル燃料で走るロードスターなどで参戦し、脱炭素社会の車の在り方も探る。「内燃機関でできることは、まだある。データをフィードバックしながら丁寧に車を造っていく」。4代目ロードスターは発売から8年たっても前年比7.7%増の2万6024台(23年国内外実績)を販売するなどファン層が広がる。誰よりも車の魅力を理解し、楽しんでいるのだろう。自らの夢は、いつまでもトッププロと一緒に走り成長すること、ときっぱり。
プロフィル

まえだ いくお2021年11月結成のマツダスピリットレーシング代表を務め、自らS耐(スーパー耐久)でハンドルを握る。1959年7月16日生まれ、広島出身。京都工芸繊維大学卒で82年入社。2009年デザイン本部長、13年執行役員兼務、16年常務執行役員、22年からシニアフェロー ブランドデザインを務める。