趣味やスポーツはもともと長続きしませんでしたが、慶応大学時代に始めたグライダーには没頭しました。エンジンを積んでいない航空機で、ウインチで引っ張ることで上空に飛び上がります。上昇気流を見付けてうまくつかめると、さらに上空へ。雲の様子、トンビの飛び方などをよく観察すると、空気の流れを推察できるようになります。エンジンがないため、飛行中は静寂の世界に。その気分の良さは、なんとも表現しがたいです。飛ぶ以外にも魅力が。一人を飛ばすためにウインチ操作や機体回収など、多くの人が動かなければなりません。チームの連帯が必要で、非常に仲良くなり、生涯の友を得ることができました。私は3年生で、操縦教育ができる教官の資格を取得。人生を振り返ると社長、会長、理事長などさまざまな役職を経験しましたが、その中でも教官の響きは最も良いものです。卒業後は離れていましたが、たまたま岐阜に住む娘の家の近くに滑空場を発見。昨夏、子どもや孫を連れて行き、空の魅力を感じてもらいました。本当は私の操縦で一緒に飛びたかったのですが、さすがに年齢を考えないとですね。10年前だったら、再びライセンスを取りに行ったはずです。今はウオーキングが日課で、2007年から1日平均1万歩を継続。歩く習慣は人生を好転させます。その輪を広げたい。「あなたに会えてよかった」と言ってもらえることもあり、今が一番の青春かもですね。