マツダは「S耐(モータースポーツのスーパー耐久)への道」「バーチャルからリアルへの道」と銘打ち、アマチュアが晴れの舞台へとステップアップするプログラムに力を入れている。「倶楽部マツダ スピリット レーシング」が運営。3月2、3日には後者のプログラムでeスポーツレース大会の成績上位者を対象に、美祢自動車試験場で実技訓練を行った。グランツーリスモというレーシングゲームの大会で7500人から27人を選抜した。日常生活でオートマに乗る人もいたが、さすが持ち前の運転センスが光り、2日目には手足のようにシフト操作をこなす。広島出身の大可明良さん(25)は、「レースに使うロードスターは本当に良い車。思い通りにクッと曲がってくれる。リアルとeスポーツの課題や対策を相互にフィードバックし、腕を磨きたい」最年長の井沖輝さん(42)は、「グランツーリスモは1作目から楽しむが、現実のレースは命の危険と隣り合わせ。蓄積した技術だけでは戦えない。年齢に関係なくチャンスをくれたことに感謝し、チャレンジ精神を心掛ける」

同社ブランド体験推進本部モータースポーツ体験グループマネージャーの久松忠輝さんは、「スローガンに共に挑むと掲げ、挑戦する人を応援している。ファンフェスタでシミュレーターを置き、来場者に体験してもらうなど周知に注力。モータースポーツをきっかけに〝クルマ好き〟を増やしたい。レースはピット作業などに多くの人が関わる。整備分野を含めて、子どもたちが将来、業界に入ってきてくれるよう願う」昨年の1期生で、eスポーツレース日本代表や実車のパーティーレース第3戦優勝など活躍中の加藤達彦さんらが、後輩指導のために駆け付けた。eスポーツは一人で戦うもの。実際のレースを通じて仲間との絆を学び、それが積み重なる。一番の財産なのだろう。

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