太陽光発電コンサルティングなどのティーエスピー(TSP、南区出汐、多田多延子社長)は、2022年発売で腐食に強い軽量発電パネル「ペラペラ太陽光」の設置を加速している。自社製の同パネルは露出する金属部品がなく、海岸線から50㍍以上離れていれば保証付きで設置できる。23年3月の初設置以来、全国で年間発電量1095メガ㍗時を供給しており、今後は全国の臨海工業地帯のほか、BtoC市場も拡大を図る。25年末までに年間発電量6万5700メガ㍗時(約1万2000世帯の1年分)を目指す。

同商品は面積当たりの発電効率が高く、耐用年数が長いN型。厚さ3㍉で、重さは従来品の約4分の1となる1平方㍍当たり3・5㌔と薄くて軽い。さらに従来品のような1枚当たり数十㌔の土台が要らず、専用の接着剤を使って最短1週間程度で屋根や壁面に設置できるという。従来品は土台などの金属部品が塩害で腐食するため海岸線から500㍍以内での設置は推奨していないが、同製品は風などで直接海水がかからない50㍍以上なら保証(製品12年、発電25年、施工20年)付きで設置が可能。軽量なので工場のスレート素材など耐久性が低い屋根やビニールハウスにも設置でき、遮熱による労働環境改善も期待できることから、県内の自動車関連工場など複数の企業が設置を検討しているという。そのほか、設置から10年以上が経過して発電効率が下がったパネルを撤去せずに同製品を貼り付ける「リパワリング」も提案している。今年3月9日に重塩害地域である西区商工センターの深川医療器の社屋に県内で初設置。合計出力は7・2㌔㍗と20㌔㍗の計2カ所(約136平方㍍)で、基本的に自家消費するが、後者の余剰分は「固定価格買取制度」に基づき売電する計画。年間約3・15㌧のCO2削減を見込む。またマンションやベランダの外壁に設置したパネルから得た電気を家庭用に変換するパワーコンディショナーをセット販売して各住戸向けに訴求したいとする。1996年設立。人材派遣やイベント企画を手掛けていたが、2010年頃から土地付きミニソーラーの分譲販売仲介で発電事業に参入した。

担当記者:額田

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事