
広島大学発の地域祭事コンサル会社とらでぃっしゅ(東広島市鏡山、片桐萌絵社長)は4月8日、伝統的祭りの担い手不足を補うためのプラットフォ―ム「MATSURI UNION」を立ち上げた。3月にはプラ部品成形の馬場プラスチック(同市豊栄町、馬場国博社長)と連携し、祭事がテーマのグッズブランド「MATSURI+(マツリプラス)」をローンチ。2027年に第1弾の着せ替え人形発売を目指す。
昨年4月に起業した同大学総合科学部4年生の片桐社長は、同市安芸津町の三津祇園祭といった地域の伝統行事を存続させるため、運営、収益化、発信力強化などを支援。併せて、全国から祭りに参加したい人を募るプログラムを開発し、累計200人以上を集めた。リピート率は96%に上るという。
今回の立ち上げを機に登録者を「渡り衆」と名付け、まずは県内の祭事運営スタッフや担い手として活動してもらう。参加した地域をウェブサイト上で着色していくデジタル地図を用意し、参加者の思い入れ醸成を図る。登録と参加は無料で、学生の現地への交通費は同社が負担し、飲食や衣類クリーニング費などは参加者負担を想定する。片桐社長は「インバウンドの需要がありそうな事業だが、祭りの在り方を大きく変えずに人手を集めるため、あえて国内を対象に展開。全国を旅して新たな出会いを求める大学生を中心に訴求していく」と話す。
マツリプラスの着せ替え人形は、馬場プラ社の馬場博人取締役(28)と協力。自動車部品のほか、端材を生かしたアクセサリー「折り鶴チャーム」を手掛ける同社が人形を作り、実際の祭りと同じデザインのミニチュア法被4種をセットにして販売する予定。訪日客をメインターゲットに、日英2語で各祭事の解説を同封したいとする。5月31日までクラウドファンディングサイトのキャンプファイヤーで支援を募る。馬場取締役は「同じ市内の文化を守る活動に賛同した。16年に新規事業として始めたアクセサリー製造は当社売り上げの13%に成長。社内では採算性に厳しい意見もあるが、既存技術を生かして地域と連携し、特定の産業だけに依存しないビジネスモデルにつなげたい」と話す。