ひろしま美術館
ひろしま美術館(池田晃治館長)は5月31日まで、特別展「アルベール・マルケ展 窓をひらけば、そこは心地よい水辺」を開く。
フランス近代絵画の巨匠マルケは1875年、フランス湾岸都市ボルドー生まれ。セーヌ川や旅先の港など水辺の情景を愛した。マティスらと純粋色と自由な筆致を用いた「野獣派」を展開したものの終始、観察に基づいて描く態度を崩すことはなかった。独特な灰色やニュアンスに富んだ中間色が特徴で全体の空気感を的確に捉える。池田館長は、
「生誕150周年を記念した回顧展で、日本では35年振り。油彩、パステル、デッサンなど約90点を展示する。灰色で他の色を引き立たせる独特の技法は、静かでありながら力強い。画面と同じような穏やかな気持ちで堪能してほしい」
企画した学芸課の水木祥子課長は、
「絵の中に入り込んでいくような感覚になる画家。2018年ごろから準備してきた。同じ場所を、天候や季節を変えて描かれた作品を並べて紹介。光の違いや、空間の広がりも楽しんでほしい」
マルケは生涯旅を愛したという。絵に向き合うと、おぼろげな旅の記憶をたどっているような心地になる。七つの川が瀬戸内海に注ぐ水の都、広島はどう描いただろうか。同館ほか3館を巡回。