
グレーチング(溝ぶた)トップメーカーのダイクレ(呉市築地町、山本晃大社長)は4月6日、熱交換器部門の安芸津工場を臨海地域の東広島市安芸津町木谷1218―23に竣工した。国内での新工場は約50年ぶり。コロナ禍の影響で延期されていた企業の設備投資意欲の回復を受け、生産能力の増強に踏み切る。
近年の人手不足を背景に、工期短縮のため熱交換器の主要部品の前後にあるダクトや煙道を組み合わせた状態で一括納品を希望する納品先が増えている。一方、組み立て済みの製品は一例で幅4・3、長さ17、高さ1・5㍍、重さ30㌧と大きく、一般道を使う陸送が難しい。このため、臨海の新工場から海上輸送する計画が浮上した。安芸津工場は敷地面積約2000平方㍍に、平屋1200平方㍍を新設。天井高は19㍍で、組み立て用に耐荷重30㌧の天井クレーンなどを設けた。工場建築には環境に配慮した新鉄筋用鋼材「エシカルスチール」を採用。また、工場の電力需要をすべて賄える153㌔㍗の太陽光発電設備に加え、電気を使わず太陽の光を照明に利用する採光装置「太陽光照明システム」を導入した。
当面は耐圧部と呼ばれるパイプ部分の製造を広島工場(東広島市八本松飯田)が担い、安芸津工場は外装の組み立てに特化。事業が軌道に乗り次第、許認可を得てフィンチューブ(管内面にひれを形成した伝熱管)製造を除く熱交換器の製造にも乗り出す。同工場で、年間10億円の売り上げを目指す。
1970年、アジアで初めて高周波抵抗溶接スパイラル式フィンチューブの製造に参入。独自開発による世界初の溶接式アルミフィンチューブや、高周波溶接式のフィンチューブほか、節炭器、蒸気過熱器、ガスクーラーなどを手掛けている。
同社の製造拠点は呉、呉第二、川尻、広島、安浦など県内と、四国、滋賀、千葉、北海道の計9カ所。25年3月期の売上高は前期比3・3%増の233億8400万円を計上。