ロジコム / 大上 正人 社長

自動車部品の物流を手掛け、インドを海外戦略の要と位置付けている。2017年頃に進出の検討を開始。人口増加や経済成長に伴い自動車生産の拡大が見込め、挑戦する価値があると判断した。アルプス物流から声が掛かり、19年10月に合弁会社を設立。しかし、直後にコロナ禍が発生して日本からの応援も難しくなった。駐在員を一時引き揚げて、約2年間は営業活動が停滞。グジャラート州の倉庫で現場運営を続け、コロナ後はスズキの新工場稼働や増産効果でやや持ち直してきた。
インドは人件費が比較的安く、倉庫作業だけでは採算確保が厳しい。トラック輸送もローカル企業との価格競争が厳しく、基本的には外注している。そこでフォワーディング(輸出入に関わる物流手配業務)に着目した。昨年末には同業務で実績のある現地企業を買収。計8拠点でインドの主要都市を網羅した。買収先は自動車部品メーカーとの取引がなく、今後は協調しながら当社顧客にフォワーディングの新規提案を行っていく。また、買収先は中古テレビやパソコンを回収して修理、再販売する事業や商社機能もあり、両社の強みを掛け合わせたい。

海外展開は優秀な現地人材の確保が成否を分ける。M&Aでは実務能力や資格保有状況、社内研修の有無まで確認した。インドは英語人材が多く、国際展開の要となる人材が育つ土壌がある。一方で法令や商習慣は日本と異なるため、証券取引関連の届け出など一つ一つに時間がかかり、想定外の経費も生じる。進出を検討する企業はインフレ傾向も踏まえて余裕ある計画が不可欠だと思う。
当社はタイ、インドネシア、中国にも現地法人を構えている。特定の受注を前提として進出したことはなく、市場の動向や将来性を見極めながら判断してきた。いまの投資が花開くのは5年後くらいかもしれない。一方、臨機応変な経営判断を意識しており、26年1月末には設立直後のメキシコ現地法人を合弁先へ売却した。将来はインドの拠点をハブとして、欧米が視野に入ってくる。今後も国内外で自動車産業の物流を全力で担い続けたい。