巻頭特集 2026.03.16

広島県が3社のインド進出支援 マッチングに成果、各社で事業化へ

 広島県は本年度、インド市場への展開を進める県内企業を対象に「海外スタートアップ等連携実証プロジェクト創出事業」を展開。野村乳業、中外テクノス、三工電機の3社を採択し、各社は事業コンセプト策定や現地企業とのマッチング、メンタリングなどの支援を受けて事業化に挑んだ。各社にインド進出の狙いや実証の成果、展望を聞いた。

乳酸菌の原料・技術を提供 現地乳業メーカーと協業へ

野村乳業 / 野村 和弘 社長

 当社は植物乳酸菌飲料「マイ・フローラ」などを製造販売する。国内の人口減少を背景に、以前から海外展開を進めてきた。韓国は10 数年前から現地乳業メーカーに原料やノウハウを提供し、研究者同士の交流や共同研究を続けている。ほかに米国、ベトナムでも事業を検討。中小企業なので対応に限界はあるが、各国にニーズは確実にあると考えている。

〝腸活〟市場は拡大傾向

 インドは初めての挑戦だ。昨年から2回訪問し、乳業メーカーや商社など11社と面談した。同国は所得水準の上昇に伴い健康志向が高まっているが、摂取効果を実感できるほど高品質のプロバイオティクス(腸内環境を整える微生物)商品は現地で見つからなかった。当社の製品・提案に対していずれの企業からも肯定的な意見をもらい、関心の高さがうかがえた。

 当社の強みは、植物乳酸菌を生きたまま腸に届ける商品開発力と、増殖促進素材「NSP」にある。NSPは増殖しにくい乳酸菌やビフィズス菌などの増殖を促し、風味を損なうことなく高い菌数を実現できる。当社製品の基礎となる原料だ。乳酸菌市場の中で菌数や機能性などでナンバーワンまたは特徴が出せる領域に絞り込み、事業を展開してきた。

 商談でも特定分野でナンバーワンになれる商品群を作る提案を行ってきた。当社はリソースが限られるため、日本で製造した製品を輸出するのではなく、原料と製造ノウハウを提供し、現地で共同開発商品を製造・販売するビジネスモデルを想定している。パッケージへの「powered by NOMURA」といった記載で、インド以外の海外市場への波及効果にも期待を寄せる。

乳業メーカーと開発へ

 本プログラムに参加し、ベンチャー系乳業メーカーと商社との3社間で、機能性発酵食品の開発と事業展開に関する包括的な取り組みについて提携の合意を得られた。最短で今秋までに試作品を完成させたい。その後、協業先の工場に生産ラインを構築し、来年度の早い段階でテスト販売に乗り出せたらと考えている。

 ほかにも原材料輸出に伴う規制調査を支援する企業とも提携する方向で、前述の2社を含め計3社と合意に至った。昨年夏からのほぼ半年間で、ここまでこぎつけられた意義は大きい。提携を決めた乳業メーカー以外からも、当社製品のインド国内での独占契約を求められている。慎重に協議し、急成長するインド市場で日本発の高品質プロバイオティクス事業の実現を目指す。

 なお課題はある。チルド物流の体制や水質管理の状況など、さまざまな調整が必要となる。着実に事業化を進める方針だ。広島県から海外販路拡大支援事業補助金の採択も受けた。先行する韓国のほか、米国、ベトナムにインドを加え、海外事業の比重を高めていきたい。

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