建築の企画・設計監理から都市・地域設計まで手掛ける日建設計(東京)で設計デザイン部門トップの山梨知彦チーフデザインオフィサーを迎え、広島建築士会主催の公開まちづくりセミナー「切ってつないで建築をつくる」が3月10日、中区の広島YMCA国際文化ホールである。これまでに木材会館やホキ美術館、三井住友銀行本店ビルなど多くのシンボリックな建築物に携わり、数々の受賞歴がある。都市建築への木材の復権を提唱。日本建築学会副会長も務める。広島建築士会の浦山豊隆事業委員長は、「建築から都市づくりまでさまざまな分野を包括した専門家集団を擁する日建設計の思想や哲学、組織設計における取り組み方の一端を語っていただこうと考えた。建築への関心が高まる中、まちづくりを考え、語り合い、感じることで共に意識を高め、広島発展へつなげていきたい」広島では旧日銀広島支店(構造設計者)や県庁舎、広島商議所ビル、原爆ドーム構造補強、県立美術館、ひろしま美術館、頼山陽史跡資料館、グリーンアリーナ、リーガロイヤルホテル広島、シャレオ地下街、トランヴェールビル、広島銀行本店、銀泉ビル、クリスタルプラザ、シシンヨー本店ビルのほか、最近完成した明治安田生命広島ビルなどを手掛け、都心の風景を形づくってきた。切ってつなぐ。何を語ってくれるだろうか。一般1000円、要申し込み。

「激動のメディア業界と新聞の行方」と題し、2月20日に市内ホテルで広島経営同友会(三村邦雄会長)主催の講演会があった。講師を務めた日本経済新聞社広島支局長の宮澤徹さんは広島県出身で、1996年に広島支局へ赴任。3年間の記者時代に、フォードからマツダへ派遣されたヘンリー・ウォレス社長らにインタビューした経験もあり、広島と縁が深い。新聞やテレビのオールドメディアに対し、都知事選や兵庫県知事選にも多大な影響を及ぼしたとされるソーシャルメディア。双方を対比させながら対立と補完、その両方を含めて情報メディアがどう変遷していくのか、その在り方などに話が及んだ。フジテレビの件にも触れて報道する側の姿勢も指摘した。2024年の新聞の発行部数は2661万部。20年前の5302万部に比べて2600万部強も減らしている(日本新聞協会調べ)。大手各紙はこぞって紙面のデジタル配信に乗り出すなど、あの手この手で生き残りを賭ける。時代を先取りするのは難しいが、その時々の空気を敏感にキャッチし、どうあるべきかと自らに問う姿勢が、メディアの先頭でニュースを追いかけてきたマスコミにも求められているのだろう。年齢などによっても興味や関心は異なる。誰の立場に立って何を伝えようとしているのか、今一度、注意深く新聞を読み直してみたい。

呉信用金庫と呉商工会議所は共に創立100周年を迎える。両者が共同し、5月17日に記念イベント「くれフェスタ2025」を開く。午前10時から呉市体育館と周辺地域を会場に市内の学校や団体を招き音楽演奏・演芸などの成果発表、キャラクターや人気芸人が登場する演芸祭を実施する。地域特産品の物販コーナーやグルメコーナーも設ける。RCC文化センターが運営事務局を担う。呉信金地域貢献部は、「当信金の向井淳滋理事長が呉商議所の副会頭を務めていることから、共同イベントの話が持ち上がった。体育館を発着点とする2㌔圏内に観光拠点など60ポイントを設け、クイズなどで得点を競う街巡りイベント〝シティロゲ〟も企画しており、多くの人に参加してもらいたい」

緑屋電気(東京)広島営業所とグループ会社の松栄商事(西区観音本町)は、中四国で産業用太陽光発電システムの受注を伸ばしており、2019年に比べ24年の販売額は3・6倍に拡大。今年は5・5倍を見込む。両社が協力してモジュール(パネル)からパワーコンディショナー、各種計測器、蓄電池、受変電設備、分電盤など一式をラインアップ。顧客の状況によって機器を組み合わせるなど、柔軟に対応する。松栄商事の北束彰啓社長は、「コロナ禍前に旺盛だったメガソーラーの需要は固定買取価格の縮小で下火になった。一方、建物の屋根や遊休地を専門の発電事業者に貸して、そこから電力を購入するPPAモデルが盛んになっている。太陽光発電所のセカンダリー(転売)市場も拡大しそうだ」と動向を分析。トランプ大統領がパリ協定からの再離脱を宣言し、再び化石燃料の生産と消費拡大に舵輪を戻す。果たして地球は大丈夫か。太陽の力に期待したいが、さて。

何かとトランプ大統領が世界を揺るがす。プラスチック製ストローを紙製に置き換える前政権の取り組みを覆す大統領令に署名した矢先、米研究機関が医学誌「ネイチャー・メディシン」に発表した研究結果が波紋を広げている。平均的な人間の脳内に、何とスプーン1本分のマイクロプラスチックが蓄積しているという。侵入経路は不明だが、研究者らはプラスチックに汚染された水で育てた作物で育てた家畜の肉類などを通じて人が経口接種していると推測する。東広島市観光協会はインバウンド向け酒蔵通りツアーで使うプラスチックカップを廃止し、昨年12月から「おちょこ」を使う試験をスタート。2月21日に3度目のテストツアーを開いた。日本人2人と3カ国の外国人6人が参加。持ち帰り用の小さな布で包んだおちょこを一人一口ずつ配布し、ガイドや蔵が用意する飲料水で洗いながら試飲する。広島大学の元海洋科学研究員で、現在は西条酒蔵通りで観光ガイドを務めるスペイン人のマディナベイティア・ヨネさんは、「試算では酒蔵通りだけで年間430万個以上のプラスチックカップが使用されており、特に酒まつりではポイ捨ても散見される。マイクロプラスチックは酒造りや一次産業の土壌を汚すだけでなく、カップ生産時に排出されるCO2は動植物の発育に影響するほどの気候変動を引き起こしている。目先の経済性を求めるだけでなく、長期的な視点でビジネスに向かうことが大切ではないでしょうか」

中世から国際貿易の要所だった尾道市。観光業の「(合同)ファンまち」は4月から、1582年創業の尾道造酢の「赤酢」ツアーを始める。工場見学や街歩きなどで酢と交易の歴史を学んだ後、名店「鮨やくしどう」で赤酢を使ったすしを堪能できる。松村健志代表は、「食材の背景を知ればおいしさが増す。食を通じて尾道のファンになってもらい、再訪につながればうれしい」

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