環境分析計測、自動分析装置開発のラボテック(佐伯区三宅、吉川晶子社長)は、水中の有機物が微生物に分解される際に必要な酸素量を示す全自動BOD(生物化学的酸素要求量)分析装置を開発し、全国の環境分析センターなどで販売実績が出ている。工業排出の化学処理効果確認などで用いられるCOD(化学的酸素要求量)分析装置の開発にも着手し、2026年度の販売開始を計画する。BOD分析装置は全国の計量証明事業所向けが主力で、大型装置は全国の浄化槽協会などに納入。累計で大型の土日対応自動BOD測定装置70台、自動BOD測定装置165台、自動希釈装置209台、全自動希釈装置15台、DO(溶存酸素)測定機能付き全自動希釈装置45台などの実績がある。新たに希釈、溶存酸素測定に加え恒温室を設けて、無人で多検体を測定できる全自動BOD(KBST)を開発し4台販売した。今後は小型化やメンテナンスしやすい装置の開発にも取り組む。COD分析装置は製造大手が撤退したこともあり参入する。飲料水自動分析装置で同じ原理の装置開発実績があり、「COD試料採取量決定方法」などで特許を取得しており、26年度の発売を目指す。店舗やビル解体時のアスベスト調査が増えており、サンプルベースで年間5000件規模に。現地調査や顕微鏡による検査を行っているが、AIの画像解析を活用した検査装置の開発にも着手した。24年にはAN(環境分析)センター(佐伯区五日市中央)の外壁や看板を大規模改装し、排気装置のドラフトチャンバーを更新。25年は省力化・省人化に向けた電力増に対応し、電気工事を行う。来期からは事業部制に移行し、AN事業部、LA(自動分析装置)事業部などを設ける計画。COD分析装置などを開発する研究開発室、顧客向け環境、労働安全衛生などのコンサルを行うコンサルタント準備室も新設予定。24年5月期の売上高は12億1189万円で、今期は12億3200万円を計画する。
担当記者:大谷