マツダ(毛籠勝弘社長)は2月27日、鉄を溶かして鋳造するための基幹設備「キュポラ溶解炉」を全てバイオマス燃料で稼働させる実証実験に成功した。2035年までの目標に掲げる、グローバル自社工場でのカーボンニュートラル(CN)実現に向けた取り組みの一環。これまで同社では、主な溶解炉の燃料に石炭由来でCO2を発生させるコークスを使っていた。今回の実験ではヤシ殻由来のバイオ成型炭=写真=を用いて1時間の稼働を達成。炉内温度や鉄の品質に影響がないことを確認できたという。パワートレイン技術部の田中裕一主幹は「30年をめどに常時バイオ燃料で稼働させられるよう、研究と燃料調達の活動を進めていく。近いところでは社内の喫茶店や自動販売機で出るコーヒー殻のほか、県の特産品であるレモンの搾りかす、カキいかだの廃竹なども燃料の原材料として活用できるはず。そうした事業者と協力したい」と話す。

担当記者:近藤

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