山積する地域課題解決の担い手としてスタートアップに期待がかかる。日本政策金融公庫は2月17日、県内外の投資家などを招き、起業機運の醸成をテーマにしたトークイベントを市内で開いた。広島ベンチャーキャピタルの西岡賢社長は同社の投資先のうち中国地方が3分の1にとどまると明かし、「地域から起業家を育て、投資したい会社を増やすには何より人づくりだ。管理を担う中区のコワーキングオフィス、ヒロマラボを拠点に、起業を目指す人と地域の企業、投資家がつながる場の創出に力を入れる。このほど発足させた新ファンドでは地域課題の解決に資するビジネスに積極投資していく」エンジェル投資家で、採用支援サービスのアイプラグ(大阪)の中野智哉社長は、ニートから起業・上場を果たし、一時は資産が180億円にもなった自身の経験を引き合いに、「事業の失敗などのリスクだけを見て尻込みする人は多い。先輩起業家が豊かな人生を送る様を見せれば、なり手が増えるのではないか」同時に開かれた高校生ビジネスプランコンテストの表彰式では、受賞者が編み物の作り方の検索アプリなどの事業案を披露。投資家たちは精緻な収支計画や綿密なマーケティングに感心していた。次世代の起業家の活躍が待ち遠しい。
担当記者:大島