学校選びと受験の情報誌「ひろしまの学校」発行のトーク出版(中区上幟町、石田利英社長)は、ユーチューブ「ひろしまの学校チャンネル」を通じ、生徒たちに企業のことを知ってもらう「企業編」を始めた。就職活動生が志望する業界や職種は、低年齢での社会見学、ワークショップ、職業体験など、企業との関わり、憧れが影響するといわれている。少子化で将来にわたり人材争奪戦の激化が予想される中、企業編に収録した動画で企業の存在、特徴などを伝えるとともに、若者の就労意識を高めていく狙いだ。

同チャンネルは、これまで中学・高校を中心に学校紹介や受験情報の動画46本を配信している。無料で閲覧でき、約1年間で計9万5000回視聴された。将来は県内全校に広げたい考え。編集にあたり、石田社長が30年近く学校選びの情報誌を取材〜編集してきたノウハウを生かす。「目先の受験にとらわれずに将来を見据えて子どもの個性を伸ばし、一番輝ける学校探しのヒントになる内容を目指す」としている。今年1月にスタートさせた企業編は、広島の転出超過抑制や生徒の将来のUIターンと親世代の理解などを促す目的があり、既に学生服メーカーや予備校など4社を収録。県内の生徒を応援する姿勢がある企業であれば分野を問わず、有料で配信を募る。動画制作も請け負う。2023年度学校基本調査で広島県は大学等進学率が全国6位と高く、若者が首都圏や関西の有名大学に進むなど県外流出の機会が多い。広島から出て行く前に、地元に有力な企業があると知ってもらう必要性が高まってきた。幼少期から社会に出るまで参考になる媒体を目指し、就活生の企業・業界研究に使われるウェブサイト「ひろしま企業図鑑」(年間50万ページビュー)と連携する。相互の特集企画などを予定。ひろしまの学校チャンネル視聴者の属性は13〜17歳が21%、18〜24歳が18%、35〜44歳が16%、45〜54歳が33%。採用活動で親への印象を良くする「オヤカク(親確)」の重要性が増す中、一緒に進路を考える保護者の視聴比率が高い。ひろしま企業図鑑は、本誌「広島経済レポート」発行元で4月に創業75周年を迎える広島経済研究所(中区立町)が運営。18年に動画制作事業を始め、これまでに200件を手掛けた実績がある。書籍「ひろしま業界地図2025年版」では54社の動画の2次元コードを掲載し、同サイトで見られる。

担当記者:吉田

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