その他 2018.11.22

小林カズヒコの経営者のための実践マーケティング講座 第19回

リアルな店舗に生きる道はあるか

  これまで中規模以上の企業を中心にコンサルティングしてきましたが、強い要請を受け、10月から従業員10人未満や個人事業者向けパッケージサービスを始めました。正直、ボランティアのような料金設定ですが、事業規模が小さいほど問題点が発見しやすく、マーケティングも障害なく瞬時に組み込めるので、大きな可能性を感じながら助言しています。
 例えば小売業。さまざまな面で世界最強の通販サイト・アマゾンの影響が出ており、「弱小の小売業は消えゆくのみでしょうか」と不安を口にする経営者が少なくありません。しかし、やりようによっては、小さな小売業こそ存在感を発揮するチャンス。ポイントは「独自性の強化」と「熱狂的顧客の創出」。そして、この2点の橋渡しとなるのが、「メディア化促進」です。

メディア化は誰でもできる時代

 私が小さな書店に助言すると仮定しましょう。売り場に限りがあるのに、大型店に負けじと「あらゆるジャンルの品ぞろえ」に取り組んでいました。当然、ジャンル数はそこそこでも、各ジャンルの書籍数は減らさざるを得ず、どっちつかずの中途半端な店舗になり、客足が遠のく一因にもなっていたのです。
 既存顧客をセグメントした結果、中年の主婦層が多いと判明。そこで、その層が反応しやすい書籍や雑誌に特化したジャンルに切り替え、「ごくたまに売れる」程度の商品は思い切って棚から除外。ターゲットを絞り込んだ「独自性の強化」ですが、ここまではよくある話。さらにもう一歩踏み込み、独自化を広く認知してもらうための情報発信、つまりメディア化に着手するのです。
 費用はそれほどかかりません。まずは「話題づくり」として、顧客中心に読書好きへ呼び掛け、おしゃれなカフェで月1回「好きな作家を語り尽くす会」を実施しましょう。なぜならファンは「話したくてウズウズしている」から。回を重ねて例会が盛り上がってくると、参加者がその様子をSNSに投稿し、店の独自性は勝手に拡散し始めます。続いてユーチューブを使い、店長自らが登場する「今週のイチオシ本」と名付けた動画を配信。撮影はスマホです。動画更新はメルマガで顧客に通知します。スタッフや顧客なども加えた持ち回り出演も、視点が広がり面白いでしょう。これも口コミ拡散が期待できます。
 こうしたアクションを地道に行うと「ファンの気持ちに寄り添ってくれる店」、「売っている人の顔がよく見える」と周知され、熱狂的な顧客が生まれます。なくてはならない、本好きの聖地へ、ステップアップできます。もちろん規模が大きな企業にも有効です。
 現在は、ほとんどお金をかけることなく、メディア化が実践できる時代。「うちはそこまでの店では」などという意味不明な謙遜は捨て去り、しっかりと情報発信しましょう。

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PROFILE
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小林 カズヒコ 
コピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。診断や相談先メール(匿名不可)marketingdefense@harukomania.com

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