チャットGPTの活用
生成AIツールの「チャットGPT」は、多くの業務に対応範囲が広がっています。有料版では対応できる機能を拡張するプラグインが7月までに600以上も公開されました。また、多くの会社が同ツールを組み込んだサービスを開始していますし、ブラウザでも使えるようになりました。文章作成と要約、企画書や議事録作成だけでなく、アイデア探しのブレストの相手としても優秀なため、ビジネスを推進するための強力なツールとなります。
このような生成AIツールは自然言語処理技術を用いて、言葉による指示(プロンプト)で人間のように対話することができます。しかし、その性能を最大限に発揮させるためには、ユーザーがその操作方法を理解し、適切なプロンプトを与えることが必要です。このため、適切なプロンプトを学ぶ必要があります。最適な結果を得るための「プロンプト・エンジニアリング」という言葉も生まれたほどです。
チャットGPTを展開する米オープンAIのサイトによると、優れたプロンプトは下記の五つの要素が必要です。
1)明確性
プロンプトは具体的で直接的でなければいけません。例えば「スポーツを説明してください」ではなく、「スポーツがなぜ人気なのか」というように聞きたいことを具体的にプロンプトに含めます。
2)文脈の提供
これは前提条件や背景を明らかにするということです。チャットGPTは一般的な回答をするため、文脈を明らかにすることで望ましい回答を得られます。例えば役割も文脈の一つです。「あなたは広告の専門家です」というような役割を定義することで、その領域の望ましい結果を得ることができます。
3)目的の明示
求めている具体的な結果を明示すると良い結果が得られます。例えば「この広告計画の効果を評価するためのKPI(評価指標)を提案してください」などのプロンプトです。
4)何度も質問
得られた回答に基づいてさらに質問をすることで、より深い洞察を得られます。例えば「なぜ」とか「もっと具体的に」、「他の案は」などと聞いてみます。またチャットGPTは回答の度に内容が変わることがあるため、何度も同じ質問をすることも良い方法です。
5)出力形式の要求
回答の形式・条件を具体的にプロンプトに含めます。例えば「箇条書きで、ポイントを五つに絞る」や「400文字に要約」、「表にまとめる」といったプロンプトです。
これらのプロンプトを使いこなすことで、チャットGPTは単なる質問応答ツールから、市場調査の洞察、広告戦略立案、コンテンツ作成のためのアイデア、営業用のレターからプレゼンテーション作成、広告コピー作成など、マーケティング活動のさまざまな面で活用できる強力な〝アシスタント〟になります。このツールは通常のビジネス活動だけでなく、効果的なマーケティング活動を展開する方法を根本的に変える可能性があります。ただし、誤情報やとんでもない回答をする可能性もあるために、必ず事実確認も含めて修正を前提にお使いください。
PROFILE
宮田 庄悟(みやた しょうご) 1956年1月3日生まれ、和歌山県出身。早稲田大学を卒業し、79年4月に電通入社。東京、ニューヨーク、北京、ロンドンでマーケティング、イベント、スポーツ業務に従事。「ラグビーワールドカップ2019組織委員会」の広報・マーケティングなどを担当。20年4月から現職。