その他 2020.02.20

小林カズヒコの経営者のための実践マーケティング講座 第27回

PDCAサイクルが決定打になり得ない訳

PDCAの致命的な弱点

 「かなり前からPDCAサイクルを組み込んでいるが、収益アップにつながらない」という声をよく聞きます。「計画(plan)」「実行(do)」「評価(check)」「改善(act)」の循環システム(図参照)で、主に製造業で活用されることが多い。製造工程の無駄を省く、不良品の数を減らすといった問題解決法としては役立つものです。しかし、経営者団体などの刊行物でよく目にする「〝経営全体の改善〟にも取り入れる」ことに関しては、マーケティングの観点から役に立たないどころか、かえって事業の停滞や衰退を招くものだと私は強く警告します。
 では、どこに問題があるのでしょうか。図を見ると、サイクルの後半が「評価」、「改善」という反省パートで占められているのが分かりますね。実はここに大きなトラップが潜んでいるのです。事業改善のための「計画」を立て、それを「実行」し「評価」を経て「改善」の手を加えます。最初は何かうまくいった気がします。しかし、サイクルを繰り返すうちに、計画を立てる段階で「評価」「改善」の関門をクリアできそうにない大胆なプランに対して守りの意識が働き、初めから除外するようになってしまうのです。日本人はこの傾向が顕著。現段階の会社の能力を鑑み、これならやれそうという立案に終始してしまうと、現状維持レベルの成果しか生み出せず、会社を劇的にバージョンアップさせるイノベーションなど起こせるはずもありません。
 マーケティングとは、現状の外に、高望みのゴールを設定することが最初のアプローチです。今できないことに果敢に挑む姿勢こそ、知恵やパワーを生み出す。
 すでに新年の事業目標を立てられた経営者さん、それは今の会社の力量内で手が届きそうな設定ではありませんか。もしそうであれば今年も「そこそこ」にとどまり、大きな躍進を遂げるのは難しいでしょう。早急に見直す必要があります。

使えないシステムの判別法

 では、こういった巷の事業改善トレンドの真贋はどうやったら見分けられるのか。それは「世論の8割が支持推奨するシステムを避ける」ということです。特に業界団体がこぞって推奨する手法は要注意。どんな事業にも言えますが、業界でうまくいっている企業は2割程度。残りの8割はそこそこか、苦戦しています。あなたの業界でも同じ現象が見られるのでは。逆にいうと、うまくいっている企業は、残りの8割が関心を示さない少数派のシステムを実行しているという、極めて簡単な道理です。この不思議な黄金律は「パレートの80対20の法則」としてマーケティング界でよく知られています。

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PROFILE
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小林 カズヒコ 
コピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。診断や相談先メール(匿名不可)marketingdefense@harukomania.com

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