人気コミックに学ぶ経営者の覚悟
今こそマーケティングに全集中すべし
老若男女を巻き込む大ヒット作となった「鬼滅の刃」。物語の前半で冨岡義勇という剣豪が主人公に胸のすく檄をとばします。それは「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というもの。圧倒的なパワーで迫る鬼たちを前に、心が折れそうになる主人公へ、先輩格である冨岡は慰めではなく、戦い抜く覚悟とそれを成す力をつける必要性を厳しく説きます。私は「経営者にも聞かせたい」と思いました。
物語に出てくる鬼を現実世界のパンデミックに置き換えてみてください。インバウンドがあてにできない、自粛要請で営業できないなど、頭を抱える経営者も少なくないでしょう。まさしく鬼のごとく理不尽で手強い状況ではありますが、マーケティングという武術を身につけていたなら、簡単にねじ伏せられることはなかったと私は確信します。その証拠に私のクライアントは、業態は多様ながら、コロナ禍でも収益や客単価を上げているからです。
一般的に多くの経営者が仕事と呼んでいるものは、私から見れば単なる作業にすぎません。一方、マーケティングは日々を非常時と想定し、刻々と変化するマーケットに対し、あれこれと戦略を立ててタイムリーな戦術を打つことを旨とします。逆にそれをしない経営者は丸腰で戦場に突っ立っているのと同じ。いざ事が起こると主導権を他者にやすやすと明け渡すことになってしまうのです。
では、今からでもマーケティングの鍛錬は間に合うのか。残された時間がどれくらいあるかではなく「まだ息の根は止まっていないぞ。負けてたまるか」という気概を失っていなければ十分にチャンスはあります。悪いことばかりではありません。コロナを機に古いやり方が見直され、DXはじめニューノーマルに適合する新しい取り組みが一気に広まりつつあり、商機も膨大です。
時間を巻き戻すことはできません。このまま泣き寝入りをするのか、マーケティングスキルを身につけて大きく飛躍するか、あなたはどちらを選択しますか。
(次回はコロナ禍で大ヒットに至った同物語からマーケティング術を探ります)
読者の質問コーナー
Q:マーケティングコンサルへの業務改革の相談について、古参を中心に反対された。
A:実は私も経験があり、どんな抵抗感があるのかヒアリングしたところ「従来の仕事の取り組み方を大きく変えさせられるのでは」と不安を抱いていることが判明。慣れ親しんだルーチンで定年まで平穏に過ごしたいと言い放つベテラン社員もいました。私の場合は、経営者に社員を集めてもらい、なぜマーケティングを事業に組み込むことが必要で、それにより個々の業務がどう変化するのか説明会を開き、理解を得ました。ストレスが減り報酬も増えるなどメリットが多いと分かればモチベーションも勝手に上がります。
PROFILE
小林 カズヒコ
コピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。診断や相談先メール(匿名不可)marketingdefense@harukomania.com