スニーカー製造のスピングルカンパニー(府中市)は、日本の文化がテーマの「ジャパン ビューティー」シリーズを立ち上げた。第1弾として、浮世絵の荒波を表現したスリッポン(ひもなし靴)=写真①=とニシキゴイがモチーフのローカットスニーカー=写真②=を2月に発売。ラインアップ拡充を進め、旺盛なインバウンド消費の取り込みを狙う。近年は伝統刺しゅう「刺し子」や天然藍染めといった日本ならではの手法・素材を採り入れるなど、「国産スニーカー」としてのプロモーションを強めている。昨秋開業の旗艦販売店「スピングル銀座」(東京)は和の雰囲気の内装に仕上げ、来客の約6割がインバウンドという。

スリッポンのアッパー(足の甲の部分)には岡山県井原市の織元に別注した市松模様のジャカードデニム生地を採用。特有の立体的な柄で葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」をイメージした。ローカットスニーカーも同じ織元のジャカードコットン生地を使い、魚のうろこのように仕上げた。価格はそれぞれ2万2000円、1万9800円。昨年1月に「スピングル」にブランド名を一新。県内では同4月に中区の縮景園近くに、7月にはJR福山駅南口の商業施設ニューキャスパ内に直営店を開いた。
担当記者:道本