燃料販売や木材加工などの山崎本社グループ(廿日市市木材港南、林秀樹社長)は、新事業で従業員向け睡眠改善出張セミナー「NELPLUS(寝るプラス)」を始めた。科学的な根拠に基づいたアドバイスに加え、オプションで睡眠時間やリズム・質などの計測を基に、個別指導にも対応。企業の生産性向上につながる点を訴求し、導入先を広げる。林社長が前職で睡眠不足のために仕事のパフォーマンスが低下した経験をヒントに事業化。慶応大学の山本勲教授によると、従業員の睡眠時間と企業の利益率にはプラスの相関関係が見られるという。これまで主に個人向けにオンラインでアドバイスを行っていたが、一定の手応えを得られたことから企業向けに再構築した。睡眠専門家でSleepLIVE(スリープライブ)の小林麻利子社長が監修。眠れない要因は一人一人異なり、個人の価値観や生活習慣の見直しが不可欠で、3カ月の長期にわたり専属パートナーが伴走支援する。こうした睡眠改善指導事業は全国で珍しく、睡眠環境学会で奨励賞を受けた。林社長は、「健康経営の観点で睡眠にまで目を向ける企業は少ない。従業員一人一人の価値を最大限に高める人的資本経営の観点からも有用で、人と企業双方のパフォーマンス向上に貢献したい」
担当記者:高見