調剤薬局経営のエムファーマシィ(北広島町阿坂、吉田孝治社長)は、大麻草を由来とするカンナビジオール(CBD)を含む自社開発のサプリメントなどの拡販に乗り出す。昨年12月の法改正で規制が強化され、安全性の確認された製品の一層の市場拡大を見込む。国内のCBD研究で知られる昭和大学教授の監修を受けて商品を開発し、美容や医療分野などで増える需要を取り込む。CBDにはストレス緩和やリラックス、痛み改善などが見込まれる。大手の製薬、製菓といった会社も参入し、サプリや化粧品、清涼飲料などに利用されている。同社は2022年からCBD含有商品を「バランシス」のブランド名で展開。これまでに舌下に垂らすオイル=写真=、瀬戸内レモンしょうが湯の2種類を商品化。3月には肌に塗るタイプのクリームの新商品を発売予定で、2月中旬からクラウドファンディングを始める。法的に必要な原料輸入時の税関検査に加え、独自に日本CBD分析センターでの原料検査、完成品の検査と計3段階の品質管理体制を敷き、安全性の担保を徹底する。全国で販売代理店を募り、取り扱い先を増やす。今期で関連売り上げ2000万円を目指す。昨年12月の麻薬取締法と大麻取締法改正で大麻使用の取り締まりが強化された一方、大麻由来の医薬品の利用が可能になった。それまで主要7カ国(G7)での禁止は日本だけだった。同社は本社所在地で調剤薬局「どんぐり薬局」を営む。20年に昭和大学の佐藤均教授の支援を受けてCBD事業部を立ち上げ、研究開発を開始。約500社が加盟する日本ヘンプ協会の第1号会員で、オイルは法改正後の新基準を満たす初の認定商品となった。同事業は県の本年度のアクセラプログラム「パノラマ」に採択された。吉田社長は「法改正後に問い合わせが増加。安全・安心を第一にCBDの普及に取り組む」と話す。2月15日午後6時半から米国ドキュメンタリー映画「CBD NATION」の上映会を中区袋町の合人社ウェンディひと・まちプラザで開く。参加費1000円。
担当記者:梶原